クラリス搭載ロードバイクの魅力とは?初心者におすすめな理由と選び方を徹底解説

クラリス搭載ロードバイクの魅力とは?初心者におすすめな理由と選び方を徹底解説
クラリス搭載ロードバイクの魅力とは?初心者におすすめな理由と選び方を徹底解説
車種選び・サイズ・比較

「ロードバイクを始めてみたいけれど、いきなり何十万円もする自転車を買うのは勇気がいる…」

「通勤や通学で毎日使いたいから、丈夫で維持費が安いモデルがいい」

そんな悩みを抱えている方が、自転車選びの中で必ず目にするキーワードが「クラリス(Claris)」ではないでしょうか。シマノのコンポーネント(変速機などのパーツ群)におけるエントリーグレードとして知られるクラリスですが、インターネット上では「初心者には十分」「いや、すぐに物足りなくなる」といった様々な意見が飛び交っており、どれを信じればいいのか迷ってしまいますよね。

実は、現在販売されている現行モデルのクラリスは、かつての入門用パーツとは比べ物にならないほど進化しており、ロードバイクの本当の楽しさを味わうのに十分なポテンシャルを秘めています。この記事では、クラリス搭載ロードバイクの特徴やメリット・デメリット、そして上位グレードとの決定的な違いについて、初心者の方にも分かりやすく徹底解説していきます。あなたが最初の一台を選ぶための、確かな判断材料をお届けします。

  1. クラリスとは?ロードバイク初心者に最適なコンポーネントの基本
    1. シマノのコンポーネントにおけるクラリスの立ち位置
    2. 現行モデル「R2000系」の劇的な進化
    3. 「8速」というスペックの意味と影響
    4. 初心者にも扱いやすい操作性とブレーキ性能
  2. クラリスと上位グレード(105・ソラ)の違いを徹底比較
    1. 変速段数の違いが走りに与える影響(8速 vs 11/12速)
    2. コンポーネントの重量差と走行性能
    3. ブレーキや変速レバーの質感と耐久性
    4. 価格差とコストパフォーマンスの検証
  3. クラリス搭載ロードバイクを選ぶ5つのメリット
    1. 1. 圧倒的なコストパフォーマンスで初期投資を抑制
    2. 2. 消耗品が安く、ランニングコストが抜群に良い
    3. 3. チェーンが太くて丈夫!ラフな扱いにも強い
    4. 4. 通勤・通学や街乗りに最適な実用性
    5. 5. カスタムのベース車両としても楽しめる
  4. 「クラリスでは物足りない?」デメリットと解決策
    1. ヒルクライムやレースでの限界点
    2. 将来的なアップグレードの互換性の壁
    3. ブレーキ性能への不安と強化方法
    4. 「安物」という見られ方とマインドセット
  5. クラリス搭載ロードバイクがおすすめな人の特徴
    1. 予算10万円〜15万円でロードバイクライフを始めたい人
    2. 平坦なサイクリングロードや街乗りがメインの人
    3. メンテナンスを覚えながら自分で整備したい人
    4. ゆくゆくは2台目購入も視野に入れている人
  6. まとめ:クラリスはロードバイクの楽しさを教えてくれる最高の相棒

クラリスとは?ロードバイク初心者に最適なコンポーネントの基本

ロードバイクのカタログやスペック表を見ていると、必ずと言っていいほど登場する「コンポーネント」という言葉。これは変速機、ブレーキ、クランク、レバーなどの駆動・制動パーツの総称です。世界シェアNo.1を誇る日本のメーカー「シマノ(SHIMANO)」は、このコンポーネントを性能や価格ごとに明確にグレード分けしています。

クラリス(Claris)はその中で、これからロードバイクを始める人に向けて設計されたエントリーグレードに位置します。まずは、クラリスがどのような立ち位置で、どのような特徴を持っているのか、その基本を深掘りしていきましょう。

シマノのコンポーネントにおけるクラリスの立ち位置

シマノのロードバイク用コンポーネントは、上から順に以下のようなグレード構成になっています。

【シマノ ロード用コンポーネントの序列】

1. DURA-ACE(デュラエース):プロ選手が使う最高峰モデル
2. ULTEGRA(アルテグラ):レース志向のアマチュアに人気
3. 105(イチマルゴ):本格的なスポーツ走行の基準点
4. Tiagra(ティアグラ):ホビーライドに最適な中級モデル
5. SORA(ソラ):スポーツ走行入門用
6. Claris(クラリス):街乗りからツーリングまで対応するエントリーモデル
7. Tourney(ターニー):最も安価な入門用

クラリスは下から2番目に位置していますが、決して「安かろう悪かろう」ではありません。最下位のターニーと比較して明確に違う点は、変速レバーの操作方法が上位グレードと同じ「デュアルコントロールレバー(STI)」を採用していることです。ブレーキレバーと変速レバーが一体化したこのシステムにより、ハンドルから手を離さずに変速とブレーキ操作が可能になります。

つまり、クラリスは「ロードバイクとしての正しい操作方法を学び、スポーツ自転車の走りを体験するためのスタートライン」に立つためのコンポーネントなのです。10万円〜13万円前後の完成車に搭載されることが多く、予算を抑えたい初心者にとって最も有力な選択肢となります。

現行モデル「R2000系」の劇的な進化

「クラリス」と一言で言っても、実は世代によって性能や見た目が大きく異なります。現在、新車で販売されているロードバイクに搭載されているのは、2017年にモデルチェンジした「R2000シリーズ」と呼ばれる最新型です。このR2000系の登場は、エントリーロードバイクの世界に革命をもたらしました。

最大の変更点は、変速ケーブルのルーティング(通し方)です。以前のモデル(2400系)では、シフトワイヤーがハンドルの横から触角のように飛び出していましたが、R2000系からは上位グレードと同様に、ワイヤーがバーテープの下を通る「内装式」に変更されました。これにより、ハンドル周りの見た目が非常にスッキリし、フロントバッグを取り付ける際もケーブルが邪魔になりません。

また、クランクのデザインも上位モデルを踏襲した「4アーム形状」になり、高級感がグッと増しました。遠目から見れば、上位グレードの105やアルテグラと見分けがつかないほど洗練されたデザインになっています。この「見た目の良さ」は、愛車への愛着を深める上で非常に重要な要素です。

「8速」というスペックの意味と影響

クラリスの最大の特徴であり、上位グレードとの決定的な違いが「変速段数」です。クラリスはリア(後ろのギア)が8枚、フロント(前のギア)が2枚の、合計16段変速となっています。現代のロードバイクの上位モデルはリア12速が主流になってきているため、数字だけ見ると「8速では足りないのでは?」と不安になるかもしれません。

しかし、ここで重要なのは「何のためにギアを変えるか」です。街乗りや週末のサイクリングにおいて、極端な激坂や時速40km以上の高速巡航を続けない限り、8速でも必要なギア比は十分にカバーされています。軽いギアを選べば坂道も登れますし、重いギアを選べばスピードも出せます。

8速であることの本当の影響は、「ギアとギアの重さの差(ステップ)」にあります。段数が少ない分、1段変速したときのペダルの重さの変化が大きくなります。「今のギアだと軽すぎるけど、1段上げると重すぎる」という、帯に短し襷に長しといった状況が、長距離ライドや微妙な勾配で発生しやすくなるのです。とはいえ、これは一定以上のペースで走り続けるレベルになって初めて気になる部分であり、初心者のうちはそこまで気にする必要はないでしょう。

初心者にも扱いやすい操作性とブレーキ性能

初めてロードバイクに乗る人にとって、最もハードルが高いのがドロップハンドルの操作です。クラリスのデュアルコントロールレバーは、握りやすさと操作の軽さを重視して設計されています。R2000シリーズのレバーはブラケット(握る部分)がスリムになり、手が小さい女性や子供でもしっかりと握り込める形状になっています。

また、ブレーキ性能についても、R2000系ではキャリパーブレーキの構造が見直され、制動力が向上しました。もちろん、プロがレースで使うような「指一本でガツンと止まる」ような強力な制動力はありませんが、信号待ちや下り坂での減速といった日常的なシーンでは必要十分な性能を持っています。

さらに、クラリスには「リーチアジャスト機能」という、ブレーキレバーの初期位置を調整する機能が備わっています。ネジを回すことでレバーをハンドルに近づけることができるため、指が届きにくいという不安も解消できます。このように、クラリスは「誰にでも扱いやすい」というユーザビリティの面で非常に優れた設計がなされているのです。

クラリスと上位グレード(105・ソラ)の違いを徹底比較

ロードバイク選びで最も悩ましいのが、「もう少し予算を出してSORA(ソラ)や105(イチマルゴ)にするべきか?」という問題です。特に「105」はロードバイク乗りの間で一つの基準とされており、「とりあえず105を買っておけ」という声もよく聞かれます。

では、具体的にクラリスとこれら上位グレードにはどのような差があるのでしょうか。スペック表の数字だけでは見えてこない、実際の走行感や使用感の違いについて比較していきます。

変速段数の違いが走りに与える影響(8速 vs 11/12速)

前述の通り、クラリスはリア8速です。これに対し、一つ上のグレードであるSORAは9速、さらに上のTiagraは10速、そして105は現行モデルで12速(機械式変速の場合)となっています。

この段数の違いは、「トップスピード」や「登れる坂の角度」が変わるわけではありません。一番重いギアと一番軽いギアの比率は、どのグレードでもスプロケット(ギアのセット)の選び方次第でほぼ同じにできるからです。違いが出るのは、その間を埋めるギアの密度、いわゆる「クロスレシオ」の度合いです。

例えば、平坦な道を一定のケイデンス(ペダルの回転数)で走り続けたいとき、向かい風が吹いてきたとします。12速の105なら、わずかに軽いギアへ1段落とすことで、回転数を維持したまま快適に走り続けられます。しかし8速のクラリスだと、1段落とすと軽くなりすぎて回転数が上がりすぎたり、逆に落とさないと重すぎて疲れたりすることがあります。

このように、段数が多いほど「ちょうどいい重さ」を選べる確率が高まり、結果として長距離を走った時の疲労軽減に繋がります。100kmを超えるようなロングライドや、ペース配分が重要なヒルクライムに挑戦する場合、この段数の差は大きなメリットとなります。

コンポーネントの重量差と走行性能

ロードバイクにおいて「軽さは正義」と言われますが、コンポーネントのグレードによる重量差も無視できません。クラリスはコストを抑えるために、主要パーツにスチール(鉄)や肉厚のアルミ素材が多く使われています。一方、105以上になると軽量なアルミ合金や、カーボン複合素材などが使用され、パーツ単体での重量が軽くなります。

例えば、コンポーネント一式(グループセット)の総重量で比較すると、クラリスと105の間には数百グラムの差が生まれます。自転車全体で見れば、フレームやホイールの重さも加わるため、クラリス搭載の完成車は10kg前後、105搭載車は8.5kg〜9kg前後になることが一般的です。

この1kg〜1.5kgの差は、持ち上げた時にははっきりと分かりますし、登り坂では身体への負担として現れます。しかし、平坦な道を走る分には、慣性力が働くためそこまで大きな差は感じません。「軽快に坂を駆け上がりたい」なら上位グレードに軍配が上がりますが、「マイペースにツーリングを楽しみたい」なら、クラリスの重量でも十分にロードバイクの軽さを体感できるはずです。

ブレーキや変速レバーの質感と耐久性

実際に操作する部分の「質感」や「タッチ」も、グレードによって大きく異なります。上位グレードのレバーは、内部機構の精密度が高く、ベアリングなどが多用されているため、変速操作が「カチッ、カチッ」と非常にスムーズで軽い力で決まります。

一方、クラリスの変速操作は、上位に比べるとストローク(レバーを動かす量)が少し大きく、操作感もやや重めです。「ガチャン」としっかり変速する感触があります。ただ、これは「悪い」という意味ではなく、変速したことが分かりやすいという安心感にも繋がります。

耐久性に関しては、さすがシマノ製品だけあって、クラリスでも非常に頑丈です。雨ざらしにしたり、メンテナンスを全くしなかったりしない限り、数年で壊れるようなことはまずありません。ただし、レバーのゴムフードの劣化や、可動部のガタつきなどは、上位グレードの方が長期間の使用に対して強く作られています。とはいえ、初めてのロードバイクとして数年間乗り倒すには十分な耐久性を持っています。

価格差とコストパフォーマンスの検証

最後に、最も重要な価格差について見てみましょう。2024年〜2025年の市場相場で言えば、クラリス搭載のロードバイクは11万円〜14万円程度で購入可能です。一方、105(機械式12速)を搭載したモデルになると、アルミフレームでも20万円〜28万円、カーボンフレームなら30万円以上が当たり前になってきます。

この約10万円という価格差は非常に大きいです。10万円あれば、ヘルメット、ウェア、ライト、鍵、空気入れ、サイクルコンピュータなどの必需品を全て揃えても、まだお釣りが来ます。あるいは、週末のサイクリング旅行に何度も行けるでしょう。

「機材の性能差」に10万円を払うか、「体験や装備の充実」に10万円を使うか。ロードバイクを趣味として長く続けるかまだ分からない初心者にとって、初期投資を抑えられるクラリスのコストパフォーマンスは圧倒的です。まずはクラリスで浮いた予算を装備に回し、快適に走れる環境を整える方が、結果的に自転車ライフを楽しめる可能性が高いと言えます。

クラリス搭載ロードバイクを選ぶ5つのメリット

ここまでの比較で、上位グレードの方が性能が良いことは間違いありませんが、それでもあえて「クラリス」を選ぶべき積極的な理由があります。特に初心者の方や、実用性を重視するライダーにとって、クラリスには上位グレードにはない独自の強みがあるのです。

1. 圧倒的なコストパフォーマンスで初期投資を抑制

最大のメリットは、やはり価格です。ロードバイクを始めるには、車体以外にも多くのアイテムが必要です。安全のためのヘルメットやライト、お尻の痛みを防ぐパッド入りパンツ、パンク修理キットなど、これらを揃えるだけで3〜5万円はあっという間に飛んでいきます。

予算ギリギリで高価なバイク本体を買ってしまうと、これらの必須アイテムにお金をかけられなくなり、快適性や安全性が損なわれてしまいます。クラリス搭載車を選ぶことで予算に余裕を持たせ、質の良いヘルメットや明るいライトを購入する方が、トータルでの満足度は確実に高くなります。また、万が一「ロードバイク趣味が合わなかった」となった場合でも、初期投資が少なければ金銭的なダメージも最小限で済みます。

2. 消耗品が安く、ランニングコストが抜群に良い

自転車は買ったら終わりではなく、乗り続ける限りメンテナンス費用がかかります。特にチェーン、スプロケット(ギアの歯)、ブレーキシューなどは消耗品であり、定期的な交換が必要です。ここでクラリスの強みが発揮されます。

例えば、チェーンの価格を見てみましょう。DURA-ACEやULTEGRAグレードの11速・12速用チェーンは5,000円〜8,000円ほどしますが、クラリスで使える8速用チェーンは1,500円〜2,000円程度で購入できます。スプロケットも同様に、上位グレードの半額以下で手に入ります。

たくさん乗れば乗るほど、この消耗品コストの差はボディブローのように効いてきます。「交換費用が高いから」と消耗したチェーンを使い続けると、ギア板まで削れてしまい修理費が高額になることもあります。パーツ代が安いクラリスなら、気軽に新品に交換でき、常にベストなコンディションを維持しやすいのです。

3. チェーンが太くて丈夫!ラフな扱いにも強い

変速段数が増える(11速や12速になる)ということは、同じ幅の中にたくさんのギアを詰め込むことを意味します。そのため、上位グレードのチェーンは非常に薄く作られています。対して8速のクラリス用チェーンは、構造的に厚みがあり、非常に頑丈です。

初心者のうちは、変速操作に慣れておらず、負荷がかかった状態で無理やり変速してしまったり、チェーンが斜めになる「たすき掛け」状態で走ってしまったりしがちです。薄いチェーンだと、こうしたラフな扱いで切れてしまうリスクがありますが、8速チェーンは多少無理な変速をしても切れにくく、伸びにも強いという特性があります。

この「頑丈さ」は、トラブルへの対処に慣れていない初心者にとって、大きな精神的安心感に繋がります。

4. 通勤・通学や街乗りに最適な実用性

ロードバイクを通勤や通学に使いたいと考えている人にとって、クラリスは最適解と言えます。毎日の通勤では、雨に降られることもあれば、駐輪場で隣の自転車にぶつけられることもあります。数十万円もするカーボンフレームの105搭載車を、駅や学校の駐輪場に長時間置くのは、盗難や破損のリスクを考えると精神衛生上よくありません。

クラリス搭載車であれば、アルミフレームの頑丈なモデルが多く、日常の足としてガシガシ使い倒すことができます。また、8速チェーンの耐久性の高さは、毎日乗るハードユーザーにとってメンテナンス頻度を下げるメリットにもなります。カジュアルな服装で乗っても違和感が少ないデザインのモデルが多いのも、街乗り派には嬉しいポイントです。

5. カスタムのベース車両としても楽しめる

「最初はクラリスで始めて、徐々にパーツを交換していく」という楽しみ方ができるのも魅力です。ロードバイクのフレーム(車体の骨格)自体は、上位グレードのパーツを取り付ける規格に対応しているものがほとんどです。

例えば、「ブレーキの効きだけ良くしたい」と思えば、ブレーキキャリパーだけを105グレードに交換することができます。タイヤを良いものに変えれば、走りの軽さは劇的に変わります。このように、自分の成長や不満点に合わせて少しずつパーツをアップグレードしていく過程は、ホビーとしての自転車いじりの醍醐味です。

いきなり完成された高級車を買うよりも、不満な点を一つずつ解消していくことで、パーツごとの違いや効果を肌で感じることができ、メカニック的な知識も自然と身につきます。

「クラリスでは物足りない?」デメリットと解決策

ここまでクラリスのメリットを強調してきましたが、もちろんデメリットも存在します。ネット上で「クラリスはやめておけ」と言われる理由の多くは、特定のシチュエーションでの限界や、将来的な拡張性の問題にあります。しかし、これらのデメリットも、理解して対策すれば決して致命的なものではありません。

ヒルクライムやレースでの限界点

本格的な峠越え(ヒルクライム)や、集団で競い合うレースイベントに参加する場合、クラリスの「8速」というスペックが足かせになることは事実です。特にヒルクライムでは、勾配の変化に合わせてこまめにギアを変え、一定のリズム(ケイデンス)を保つことが疲労軽減の鍵となります。クラリスのワイドなギア比だと、欲しい重さのギアが見つからず、無理して重いギアを踏むか、軽すぎて回しすぎるかになりがちです。

【解決策】スプロケットのカスタマイズ
自分の脚力や走るコースに合わせて、スプロケット(後ろのギア)を交換しましょう。坂道が苦手なら、より軽いギアが付いている「ワイドレシオ」なスプロケットに。平地メインなら、ギアの歯数差が少ない「クロスレシオ」なスプロケットに交換することで、8速のネガティブな要素をある程度カバーできます。

将来的なアップグレードの互換性の壁

これが最も注意すべき点です。将来的に「コンポーネントを105(11速や12速)に載せ替えたい」と思った時、クラリスと11速以上のコンポには互換性がほとんどありません。STIレバー、変速機、チェーン、スプロケットはもちろん、場合によってはホイール(の後輪ハブ)まで交換が必要になります。

多くのクラリス完成車に付いているホイールは、8速〜10速にしか対応していない場合が多く、11速以上のスプロケットを取り付けられません。つまり、105にアップグレードしようとすると、コンポ一式+ホイール代で、新しい自転車がもう一台買えるくらいの費用がかかってしまうのです。

【解決策】割り切った運用計画
無理にクラリス車を105化しようとせず、1台目は「練習用・通勤用・街乗り用」として乗り倒し、本格的にハマったら2台目として良いスペックのバイクを買い増すのが最も賢い戦略です。2台持ちになれば、用途によって使い分けができ、より豊かな自転車ライフが送れます。

ブレーキ性能への不安と強化方法

クラリス純正のブレーキキャリパーは、105以上に比べると剛性が低く、ブレーキシュー(ゴム部分)のグレードも低いため、制動力に不安を感じる人が多いポイントです。特に下り坂でスピードが出ている時や、雨天時には「止まらない」と感じて怖い思いをするかもしれません。

【解決策】ブレーキシューの交換
最も費用対効果の高いカスタムがこれです。ブレーキ本体を変えなくても、ゴム部分(シュー)をシマノの上位グレード用(例:R55C4など)や、サードパーティ製の高性能なものに交換するだけで、制動力は劇的に向上します。数千円で安全が買えるので、納車時にショップで交換してもらうのもおすすめです。もし予算があれば、ブレーキキャリパー本体だけを105グレード(BR-R7000など)に交換すれば、さらに安心感が増します。

「安物」という見られ方とマインドセット

残念ながら、ロードバイク界隈の一部には機材のグレードでマウントを取りたがる風潮が少なからず存在します。グループライドなどで「なんだ、クラリスか」といった視線を感じることを懸念する方もいるかもしれません。

【解決策】エンジン(脚)こそが本体
自転車は結局のところ、乗る人の脚力が全てです。どれだけ高い機材を使っていても、鍛えていなければ速くは走れません。逆に、クラリスのバイクで高級車を颯爽と追い抜くライダーは、非常にカッコよく映ります。「機材よりも体験を楽しむ」「自分のペースで走る」というマインドセットを持てば、他人の評価など全く気にならなくなります。自信を持って愛車を楽しみましょう。

クラリス搭載ロードバイクがおすすめな人の特徴

ここまで見てきた特徴を踏まえて、クラリス搭載ロードバイクは具体的にどのような人に最適なのかをまとめました。以下の項目に当てはまる数が多いほど、あなたはクラリスを選んで後悔しないはずです。

予算10万円〜15万円でロードバイクライフを始めたい人

「予算は絶対15万円以内!」と決まっているなら、無理をして中古の古い105搭載車を探すよりも、新品の現行クラリス搭載車を買うことを強くおすすめします。新品ならメーカー保証がつきますし、ショップでの無料点検などが受けられる場合も多いです。また、R2000系クラリスは一昔前の古い上位グレードよりも操作性が向上している部分もあり、安心して乗り出せます。

平坦なサイクリングロードや街乗りがメインの人

主な用途が河川敷のサイクリングロードを流したり、週末にカフェまで走ったり、あるいは通勤通学といった「実用+α」の使い方であれば、クラリスの性能で困ることはまずありません。信号待ちからのスタートや、ちょっとした橋の上り下り程度なら、8速で十分快適にこなせます。

メンテナンスを覚えながら自分で整備したい人

ロードバイクの楽しみの一つに「自分で整備する」ことがあります。クラリスは構造がシンプルで調整がしやすく、万が一パーツを壊してしまっても交換部品が安いため、メンテナンスの練習台として最適です。自分でチェーンを洗い、変速調整ができるようになると、愛車への愛着は何倍にも膨らみます。

ゆくゆくは2台目購入も視野に入れている人

「今は予算がないけど、いつかはカーボンフレームのすごいバイクに乗りたい」という野望を持っている人こそ、最初はクラリスから始めるのが正解かもしれません。まずはクラリスでロードバイクの基礎、乗り方、交通ルール、メンテナンスを徹底的に学びます。そして数年後、お金を貯めて憧れのハイエンドバイクを手に入れた時、クラリス車は「雨の日用」や「通勤用」、「ローラー台トレーニング用」のサブバイクとして第二の人生を歩めます。

【メモ】
クラリスでロードバイクの世界に入り、その楽しさに目覚めてから上位グレードへステップアップするのは、非常に理にかなった王道のルートです。「最初から最高級」も素敵ですが、「機材の進化を体感する喜び」は、下位グレードから始めた人だけの特権でもあります。

まとめ:クラリスはロードバイクの楽しさを教えてくれる最高の相棒

まとめ
まとめ

今回はシマノのエントリーコンポーネント「クラリス(Claris)」について、その特徴やメリット、選び方を詳しく解説してきました。最後に、記事の要点を振り返っておきましょう。

【クラリス ロードバイクの要点まとめ】

1. 進化したR2000系:
現行モデルはケーブル内装&4アームクランク採用で、見た目も操作性も上位モデルに迫る完成度。

2. 十分な基本性能:
8速でも街乗りや週末のロングライドには十分対応可能。初心者にも扱いやすい操作感が魅力。

3. 圧倒的な経済性:
車体価格が安いだけでなく、チェーン等の消耗品も格安。維持費を抑えて長く乗れる。

4. 実用的なタフさ:
太くて丈夫なチェーンやパーツは、通勤・通学などのハードな使用環境に最適。

5. 賢い選び方:
浮いた予算でヘルメットやウェアを充実させるのが吉。ブレーキに不安があればシュー交換で解決。

「クラリスだから…」と引け目を感じる必要は全くありません。現代のクラリスは、シマノの技術が惜しみなく投入された、立派なスポーツコンポーネントです。風を切って走る爽快感、遠くまで自分の足で行ける達成感、美しい景色との出会い。ロードバイクが与えてくれるこれらの感動は、コンポーネントのグレードに関わらず等しく訪れます。

もしあなたが、限られた予算の中で「ロードバイクのある生活」をスタートさせたいと願っているなら、クラリス搭載モデルは間違いなく最高の相棒になってくれるでしょう。まずは店頭で、その洗練された実車を見て、触れてみてください。あなたの新しい冒険が、そこから始まります。

 

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