マウンテンバイク(MTB)はそのタフなルックスと走破性の高さから、街中での移動手段としても人気を集めています。しかし、いざ乗り始めてみると「思っていたよりもペダルが重い」「長距離を走るとすぐに息が切れる」と、マウンテンバイクの街乗りが疲れることに驚く方も少なくありません。
本来、オフロードを走るために設計されたマウンテンバイクを舗装路で使うには、いくつかの知っておくべきコツがあります。なぜ疲れを感じやすいのか、その理由を正しく理解すれば、少しの工夫で驚くほど走りが軽くなります。
この記事では、マウンテンバイクで街を走る際の負担を減らし、もっと快適にサイクリングを楽しむための具体的な方法を分かりやすく解説します。タイヤの選び方から体の使い方まで、今日から役立つ情報が満載です。
マウンテンバイクの街乗りが疲れる主な理由とメカニズム

マウンテンバイクでアスファルトの上を走ると、ロードバイクやクロスバイクに比べて疲れを感じやすいのは事実です。これには自転車の構造上の理由が大きく関わっています。まずは、何が原因で体力を消耗しているのかを把握しましょう。
ゴツゴツした「ブロックタイヤ」による走行抵抗
マウンテンバイクの最大の特徴であるブロックタイヤは、土の上では強力なグリップ力を発揮しますが、舗装路では逆効果になることが多いです。路面と接する面積が複雑なため、「転がり抵抗」と呼ばれる摩擦が大きくなり、ペダルを漕ぐのに大きな力が必要になります。
また、走行中に「ゴー」という振動や音が伝わってくるのも、タイヤのノブ(突起)が路面を叩いている証拠です。この微細な振動が長時間体に伝わり続けることで、本人が気づかないうちに筋肉や神経を疲れさせてしまう要因となります。街乗りをメインにする場合、このタイヤの抵抗が最大の壁と言えるでしょう。
さらに、幅の広いタイヤは空気抵抗も大きくなります。低速ではあまり気になりませんが、スピードが上がるにつれて風を押し切るためのパワーが必要になり、体力を削っていきます。タイヤの太さと形状が、街乗りでの疲れに直結しているのです。
車体重量の重さが加速時の負担になる
マウンテンバイクは激しい衝撃に耐えられるよう、フレームやパーツが非常に頑丈に作られています。そのため、軽量化を最優先したロードバイクなどと比較すると、どうしても車体重量が重くなってしまいます。この「重さ」が、信号待ちが多い街中でのストップアンドゴーで足に効いてきます。
自転車は一定の速度で走っている時よりも、停止状態から加速する時に最もエネルギーを使います。重い車体を何度も加速させる動作は、太ももの筋肉に大きな負荷をかけるため、短距離の移動でも意外と疲労が蓄積しやすいのです。上り坂になれば、その重さはさらに顕著な負担として感じられるでしょう。
加えて、パーツの堅牢さは安心感を生みますが、重量増は避けられません。特に安価なエントリーモデルでは、パーツの一つひとつが重く、全体としてかなりの重量になることがあります。街乗りの軽快さを求めるなら、この重量という特性とどう向き合うかが重要です。
サスペンションがペダリングの力を吸収してしまう
段差の衝撃を和らげてくれるサスペンションですが、街乗りにおいては疲れを助長させる側面もあります。ペダルを強く踏み込んだ際、その力が推進力に変わる前にサスペンションが沈み込んでしまい、エネルギーが逃げてしまう現象が起こるからです。これを「ペダリングロス」と呼びます。
特に柔らかい設定のフロントサスペンションは、立ち漕ぎをした際に大きく上下に動いてしまいます。せっかく頑張って漕いでも、その力がバネによって吸収されてしまうのは非常にもったいないことです。効率よく進まない感覚が、精神的な疲れにもつながってしまいます。
サスペンションは快適性のための装備ですが、平坦な道では必ずしもメリットばかりではありません。力を逃がさずに路面に伝えることができない構造が、マウンテンバイク特有の「重ったるい走り」の一因となっていることを覚えておきましょう。
上体が起きた「アップライトな姿勢」と空気抵抗
マウンテンバイクは視界が広く確保できるよう、上半身が起きた姿勢で乗るように設計されています。これは街中での安全確認には適していますが、長距離や向かい風の中を走る際には大きなデメリットとなります。体が帆のような役割を果たしてしまい、大きな空気抵抗を受けてしまうためです。
時速20キロ程度を超えてくると、自転車の走行を妨げる最大の要因は空気抵抗になります。ロードバイクのように前傾姿勢が取れないマウンテンバイクは、常に風を正面から受ける形になり、進むために余計な筋力を使わなければなりません。これが蓄積すると、肩や腰への疲労としても現れます。
また、広いハンドル幅も空気抵抗を増やす要因です。肩幅よりもずっと広いハンドルを握っていると、脇が開いて風をより多く受けてしまいます。安定感は抜群ですが、スピードを維持して走り続けるという点においては、体力的なロスが大きくなってしまうのです。
タイヤを交換するだけで劇的に変わる街乗りの快適性

マウンテンバイクを街乗りで使う際、最も効果的で手軽な改善方法がタイヤの交換です。オフロード用のタイヤから、舗装路に適したタイヤに変えるだけで、驚くほど進みが良くなります。ここでは、どのようなタイヤを選べば良いのかを解説します。
「スリックタイヤ」や「セミスリックタイヤ」の導入
街乗りメインであれば、表面に突起がない「スリックタイヤ」や、中央部分が滑らかで両端だけにブロックがある「セミスリックタイヤ」への交換を強くおすすめします。路面との摩擦が劇的に減り、軽い力でスルスルと進む感覚を体感できるはずです。
スリックタイヤにすることで、走行中の振動やノイズもほとんどなくなります。これにより、肉体的な疲労だけでなく、耳からくるストレスも軽減されます。見た目は少し細くなりますが、舗装路での走行性能は圧倒的に向上し、信号からの漕ぎ出しが非常に軽やかになります。
タイヤ幅を少し細くして抵抗を減らす
マウンテンバイクの標準タイヤは2.1インチから2.4インチ(約5cm〜6cm)ほどありますが、これを1.5インチから1.75インチ程度の幅に細くするのも効果的です。タイヤが細くなることで路面との接地面が減り、さらに空気抵抗も軽減されます。
あまり極端に細くしすぎるとマウンテンバイクらしい見た目が損なわれたり、リム(車輪の枠)との相性問題が出たりしますが、適度な細身のタイヤは非常にバランスが良いです。段差での安心感は残しつつ、軽快な走りを手に入れることができる絶妙なラインを狙いましょう。
幅を少し変えるだけでも、車体全体の重量が数百グラム単位で軽くなることがあります。回転体であるタイヤが軽くなることは、フレームを軽くすることよりも走りに大きな影響を与えます。足取りが軽くなるため、長時間の街乗りでも疲れにくくなります。
適切な空気圧の設定で転がりを良くする
新しいタイヤを買わなくても、今すぐできる対策が「空気圧の調整」です。オフロードではクッション性を高めるために低めの空気圧で走りますが、街乗りでは指定範囲内の高めに設定するのが基本です。空気がしっかり入っているとタイヤの変形が少なくなり、転がりが良くなります。
タイヤの側面には、必ず推奨される空気圧(PSIやbarという単位)が記載されています。これをチェックして、上限に近い値まで空気を入れてみましょう。指で押して少し凹む程度ではなく、カチカチに硬い状態にすることで、路面との摩擦を最小限に抑えられます。
ただし、あまりにパンパンにしすぎると、小さな段差でも跳ねるようになり、乗り心地が悪化することもあります。自分の体重や好みに合わせて、快適さと軽さのバランスが取れるポイントを微調整してみるのが、通な楽しみ方です。
軽量なインナーチューブへの交換も効果的
目に見えない部分ですが、タイヤの中に入っている「インナーチューブ」を軽量なものに変えるのもおすすめです。特に純正のチューブは耐久性重視で重いことが多いため、これを薄くて軽いタイプに変えるだけで、ホイールの回転がスムーズになります。
ホイール周りが軽くなると、加速の際にもたつきがなくなります。一回転ごとに必要な力が少なくて済むため、数キロの移動でも足の疲れ具合に差が出てきます。価格も数千円程度と手頃なので、タイヤ交換のタイミングで一緒に検討してみると良いでしょう。
最近は「TPUチューブ」という非常に軽量で転がり抵抗の少ない素材のチューブも登場しています。少し高価ですが、劇的な変化を求めるなら試す価値ありです。
車体のセッティングを見直してエネルギーロスを防ぐ

パーツを買い替えなくても、今のマウンテンバイクの調整次第で疲れを大幅に減らすことができます。特にサスペンションとサドルの位置は、ペダリングの効率に直結する重要なポイントです。
サスペンションの「ロックアウト機能」を活用する
もしお持ちのマウンテンバイクのサスペンションに「ロックアウト」というレバーが付いていたら、街乗りでは積極的に使いましょう。これはサスペンションの動きを一時的に固定する機能で、ペダルを漕ぐ力がバネに吸収されるのを防いでくれます。
ロックアウトすることで、マウンテンバイクがクロスバイクのような「硬い走り」に変わります。特に坂道を登る時や、信号待ちからの加速時にレバーを切り替えるだけで、力がダイレクトに伝わるのを実感できるはずです。平坦な舗装路ではロックしておき、荒れた道だけ解除するという使い分けが理想的です。
もしロックアウト機能がない場合は、サスペンションの「プリロード(バネの硬さ)」を調整して、できるだけ沈み込みにくく設定するだけでも効果があります。自分の体重に対して少し硬めにセットすることで、無駄な上下運動を抑えることが可能です。
サドルの高さを適切に調整して足の負担を軽減
街乗りで疲れる原因の多くは、実は「サドルの高さ」にあります。マウンテンバイクは足つきを良くするためにサドルを低くしがちですが、低いサドルで漕ぎ続けると膝に負担がかかり、筋肉も効率よく使えません。これではすぐに疲れてしまうのも当然です。
最も効率よく力が入る高さは、サドルに座ってペダルを一番下に持ってきたとき、膝がわずかに曲がる程度の高さです。ママチャリのように足の裏がべったり地面につく高さは、サイクリングには不向きです。信号待ちではサドルから降りてトップチューブ(フレームの横棒)を跨いで待つのが、スポーツバイクの正しい乗り方です。
サドルを適切な高さに上げると、太ももの大きな筋肉を使ってペダルを回せるようになります。視点も高くなり、街中の景色もより良く見えるようになるでしょう。最初は少し怖く感じるかもしれませんが、慣れてしまえば驚くほど楽に走れるようになります。
ハンドル周りの位置調整で疲れにくい姿勢を作る
ハンドルの高さや角度を微調整するだけで、肩こりや腕の疲れを軽減できます。マウンテンバイクのハンドルは幅が広すぎる場合があるため、もし肩に力が入りすぎていると感じるなら、少し幅を詰めたり、握りやすいグリップに交換したりすることを検討しましょう。
また、ブレーキレバーの角度も重要です。指をかけたときに手首が不自然に折れ曲がっていないか確認してください。腕から指先までが一直線になるような角度に調整することで、余計な筋力を使わずにリラックスして操作できるようになります。小さなことですが、これが長距離での疲れにくさに大きく貢献します。
自分に最適なポジションを見つけるコツ:
1. まずサドルの高さを決める
2. 次に前後位置を調整する
3. 最後にハンドルの高さや角度を微調整する
この順番で調整すると、全体的なバランスが整いやすくなります。
駆動系のメンテナンスをこまめに行う
チェーンが汚れていたり、油が切れていたりすると、ペダルを漕ぐ際の摩擦抵抗が増えます。黒くドロドロになったチェーンは見た目が悪いだけでなく、走行性能を著しく低下させます。定期的に洗浄と注油を行うだけで、驚くほどペダリングが軽くなります。
また、変速機の調整がずれていると、ギアチェンジがスムーズにいかずストレスがたまります。カチカチと小気味よく変速が決まる状態を保つことで、街中の起伏に合わせて最適なギアを使い分けられるようになり、脚力への負担を最小限に抑えられます。
注油の際は、汚れをしっかり拭き取ってから新しいオイルを差すのがポイントです。オイルが多すぎると逆に汚れを呼び寄せてしまうため、余分な油は布で拭き取るようにしましょう。常にピカピカのチェーンで走ることは、疲れを溜めないための基本中の基本です。
街乗りで疲れを最小限に抑える効率的な漕ぎ方のコツ

機材の調整だけでなく、自分の「乗り方」を変えるだけでも疲労感は大きく変わります。力任せに漕ぐのではなく、効率を重視した体の使い方をマスターしましょう。街中の走行がぐっとスマートになります。
「軽いギア」で回転数を上げる走りを意識する
重いギアを力いっぱい踏み込んで進もうとすると、すぐに筋肉が疲弊してしまいます。これを避けるためには、自分が思っているよりも1段か2段「軽いギア」を選び、クルクルと軽快にペダルを回すことが大切です。自転車界ではこれを「ケイデンスを上げる」と言います。
軽いギアで回す走りは、心肺機能を使いますが、脚の筋肉を温存できます。筋肉は一度疲れると回復に時間がかかりますが、心肺による疲労は短時間で回復しやすいという特徴があります。信号の多い街中では、早めに軽いギアに落としておき、スムーズな発進を心がけましょう。
目安としては、1秒間にペダルを1.5回転(1分間に90回転)させるのが理想的ですが、街中ならもう少しゆっくりでも構いません。膝に力を入れすぎず、リズミカルに足を動かすイメージを持つだけで、長時間の走行でも疲れを感じにくくなります。
「踏む」のではなく「回す」ペダリングを覚える
ペダルを真下に押し下げるだけではなく、円を描くように足を動かす「回すペダリング」を意識してみましょう。マウンテンバイクの大きなペダルは、足の裏全体を乗せやすいため、この練習に適しています。時計の針が1時から5時くらいの方向にある時に優しく力を込めるのがコツです。
真下に強く踏み込みすぎると、サスペンションが上下に揺れてしまい、先ほど説明したペダリングロスが発生しやすくなります。足の重みを利用して、後ろに引きずるようなイメージでスムーズに回転をつなげることで、車体の揺れを抑えた効率の良い走りが可能になります。
また、足首の角度を固定しすぎないことも重要です。柔軟に足を動かすことで、足首や膝への衝撃を逃がし、関節の疲れを防ぐことができます。リラックスして、自転車と一体になるような感覚で漕ぐことが、街乗りを快適にする秘訣です。
上半身の力を抜いて「脱力」して乗る
慣れないうちはハンドルを強く握りしめてしまいがちですが、これが肩や首の凝り、手のしびれの原因になります。ハンドルは添えるだけというイメージを持ち、上半身はできるだけリラックスさせましょう。体幹(腹筋や背筋)で姿勢を支えるように意識すると、腕の力が自然に抜けます。
肘を突っ張らずに、少し余裕を持たせて曲げておくことで、路面からの不意な衝撃を腕がサスペンションのように吸収してくれます。これにより、全身にかかる負担を大幅に減らすことができます。特にマウンテンバイクのワイドハンドルは、力を抜きやすい構造をしています。
深く呼吸をすることも忘れないでください。緊張して呼吸が浅くなると、筋肉に酸素が行き渡らず、すぐに疲れてしまいます。街の景色を楽しみながら、ゆったりとしたリズムで呼吸を整えて走ることが、長距離を楽に走り切るためのコツです。
先読みしたブレーキングとライン取り
街中には段差や信号、歩行者など、速度を落とさなければならない場面がたくさんあります。その度に急ブレーキをかけ、また力いっぱい加速するのは非常に非効率です。遠くの信号や状況を早めに察知し、できるだけ「一定の速度」を保てるように工夫しましょう。
赤信号が見えたら早めに漕ぐのをやめて、惰性で進むようにします。また、歩道の段差を避けて滑らかな車道を選んだり、路面の綺麗な場所を走ったりする「ライン取り」を意識するだけでも、振動による疲労を軽減できます。頭を使ってスマートに走ることが、肉体的な疲れを減らすことにつながります。
マウンテンバイクのブレーキは非常に強力なので、指1本か2本で軽く操作するだけで十分効きます。握りすぎによる手の疲れを防ぐためにも、レバーの引きしろを自分好みに調整し、最小限の力でコントロールできるようにしておきましょう。
マウンテンバイクだからこそ楽しめる街乗りのメリット

ここまで「疲れ」に焦点を当ててきましたが、マウンテンバイクには街乗りならではの素晴らしい魅力もたくさんあります。工夫次第でデメリットをカバーできれば、これほど頼もしいパートナーはありません。
段差や荒れた路面での「無敵感」と安心感
細いタイヤのロードバイクだと気を使う歩道の段差や、工事中のガタガタ道も、マウンテンバイクならストレスなく乗り越えられます。パンクのリスクが圧倒的に低いため、「どこでも走れる」という精神的な余裕が生まれます。これが街中でのストレスフリーな走行に寄与します。
また、雨上がりの滑りやすいマンホールや、路肩に溜まった砂利の上でも、太いタイヤがしっかりとグリップしてくれます。転倒のリスクが少ないことは、安全性が求められる通勤・通学において最大のメリットと言えるでしょう。この安心感は、速さ以上に価値があるものです。
サスペンションも、段差を乗り越える際の衝撃から手首や腰を守ってくれます。長時間乗るほど、この衝撃吸収能力が体の節々の痛みを防いでくれていることに気づくはずです。マウンテンバイクは、いわば「街中のSUV」のような存在なのです。
ディスクブレーキによる抜群の制動力
現在のマウンテンバイクの多くに採用されているディスクブレーキは、雨の日でも制動力が落ちにくいのが特徴です。少ない力で確実に止まれるため、指の疲れも軽減されます。特に下り坂や荷物を積んでいる時でも、指先一つでスピードコントロールができるのは大きな魅力です。
Vブレーキなどのリムブレーキと違い、泥や水の影響を受けにくいため、どんな天候でも常に安定したパフォーマンスを発揮します。街中では予期せぬ飛び出しなどに遭遇することもありますが、信頼できるブレーキがあるという事実は、ライダーの疲労軽減に大きく役立ちます。
また、ディスクブレーキは見た目もメカニカルでかっこよく、所有感を満たしてくれます。性能面でもスタイル面でも、マウンテンバイクを選ぶ大きな理由の一つになるでしょう。メンテナンスをしっかり行えば、長くその高性能を維持することができます。
タフな構造で荷物の積載にも強い
マウンテンバイクのフレームは非常に頑丈なので、リアキャリア(荷台)を取り付けて重い荷物を運ぶのにも適しています。リュックを背負って走ると背中が蒸れたり、肩が凝ったりして疲れますが、自転車に荷物を預けてしまえば、体は驚くほど自由になります。
サイドバッグ(パニアバッグ)を活用すれば、買い出しやキャンプツーリングのようなスタイルでの街乗りも楽しめます。重い荷物を積んでも車体が安定しているのは、マウンテンバイクならではの強みです。荷物を運ぶ道具としての実用性は、他のスポーツバイクを圧倒します。
キャリアを取り付けるためのダボ穴(ネジ穴)がないモデルでも、最近はシートポストやフレームに直接固定できる便利なバッグがたくさん販売されています。自分に合った積載スタイルを探してみましょう。
街を外れて公園や河川敷の未舗装路へも行ける
街乗り用のタイヤに変えたとしても、マウンテンバイクの本質は変わりません。通勤の途中にちょっとした公園の砂利道や、河川敷の未舗装路を見つけたとき、躊躇なく飛び込んでいけるのはマウンテンバイクだけの特権です。単なる移動が、ちょっとした冒険に変わります。
決まったルートを走るだけでなく、寄り道を楽しめる心の余裕が、自転車ライフを豊かにしてくれます。土の上を走る感覚は、アスファルトの上とは違った楽しさがあり、良い気分転換になります。そうした「遊び心」を満たしてくれるのが、マウンテンバイクの最大の魅力です。
もし未舗装路を走ることが多いなら、完全なスリックよりも、センターが平らでサイドにノブがあるタイヤを選ぶと良いでしょう。自分の走行スタイルの比率に合わせてカスタマイズしていくことで、自分だけの「最強の街乗りMTB」を作り上げることができます。
マウンテンバイクの街乗りで疲れる悩みを解消するためのまとめ
マウンテンバイクでの街乗りを快適にし、疲れを最小限に抑えるためのポイントを振り返りましょう。まず、疲れの最大の原因は「タイヤの走行抵抗」と「サスペンションによるエネルギーロス」、そして「不適切なポジション」にあります。
これらの対策として、以下のステップを試してみてください。
1. タイヤをスリックやセミスリックに交換する:これだけで走行感の8割が決まります。
2. 空気圧を適切(高め)に管理する:転がりを良くするための最も簡単なメンテナンスです。
3. サドルの高さを上げる:効率的な筋肉の使い方で、膝や太ももの疲労を防ぎます。
4. サスペンションの機能を使い分ける:平坦な道ではロックして力を逃がさないようにしましょう。
5. 軽いギアで回すペダリングを心がける:筋肉への過剰な負荷を避け、持久力を高めます。
マウンテンバイクは決して街乗りに向いていない自転車ではありません。むしろ、その頑丈さと安定感は、日本の舗装された街中を安全に駆け抜けるための強力な武器になります。特性を理解し、自分に合わせて少しだけ調整を加えてあげるだけで、マウンテンバイクは最高に頼もしく、疲れ知らずな相棒に変わるはずです。
せっかく手に入れたマウンテンバイクですから、「疲れるから」と諦めてしまうのは非常にもったいないことです。今回ご紹介した方法を一つずつ実践して、軽やかで快適なサイクリングを楽しんでください。街を颯爽と走るマウンテンバイクの魅力を、ぜひ心ゆくまで体感してくださいね。



