英国生まれの折りたたみ自転車、ブロンプトン。その機能美を最大限に活かすパーツの一つが「ペダル」です。ブロンプトンの純正ペダルは、左側だけが折りたためるユニークな設計になっており、コンパクトな収納を支える重要な役割を担っています。しかし、長年乗っていると「もっと滑りにくいペダルがいい」「軽量化して持ち運びを楽にしたい」と感じることも多いのではないでしょうか。
この記事では、ブロンプトンペダルの特徴から、交換するメリット、さらには人気のカスタムパーツまで詳しくご紹介します。愛車の乗り心地を左右する足元のパーツを見直して、より快適な自転車ライフを楽しみましょう。初心者の方にも分かりやすく解説しますので、ぜひ最後まで参考にしてください。
ブロンプトンペダルの基本構造と純正ならではの特徴

ブロンプトンを購入した際に最初から付いている純正ペダルには、他の自転車にはない独自の工夫が凝らされています。まずはその仕組みを理解しましょう。
左側だけが折りたためる独特の仕組み
ブロンプトンの最大の特徴は、折りたたんだ際のスリムさにあります。純正ペダルの場合、車体の左側(チェーンがない側)のペダルだけがパタンと内側に折りたためる構造になっています。これにより、輪行時や室内保管の際にペダルが壁や体にぶつかるのを防いでくれます。
右側のペダルは固定式ですが、折りたたんだ状態では車体の内側に隠れる位置に来るため、邪魔にならないよう計算されています。この左右非対称の設計こそが、ブロンプトンが世界中で愛される「機能美」の象徴とも言えるポイントです。操作も簡単で、ラッチ(留め具)を引くだけでワンタッチで畳めます。
純正ペダルの素材と耐久性について
現行モデルの純正ペダルは、アルミダイキャスト製のボディを採用しており、街乗りには十分な強度を持っています。踏み面には滑り止めの突起があり、日常の靴でも安定して漕ぐことができます。また、リフレクター(反射板)が標準装備されているため、夜間の視認性が高いのも安心なポイントです。
ただし、長く使い続けると内部のベアリング(軸受け)にガタが出たり、回転が渋くなったりすることもあります。純正品は補修パーツとしても販売されているため、今の使い勝手に満足している場合は、新品の純正ペダルに交換するだけでも「走りの滑らかさ」が劇的に改善することがあります。
純正ペダルを使用するメリットと注意点
純正ペダルを使い続ける最大のメリットは、何と言っても「収まりの良さ」です。折りたたんだ際のクランクの位置や、フレームへの干渉が完全に計算されているため、トラブルが非常に少ないのが魅力です。純正のデザインを崩したくないというオーナー様にも最適な選択肢と言えるでしょう。
注意点としては、雨の日に靴底が滑りやすいと感じる場合があることや、重量が少し重めであることが挙げられます。特に坂道を頻繁に登る方や、長距離ツーリングを楽しみたい方の間では、より回転性能が高くグリップ力の強い社外製ペダルへ交換するカスタムが定番となっています。
ブロンプトンペダルを交換・カスタムする3つのメリット

多くのブロンプトンユーザーがペダルの交換を検討するのはなぜでしょうか。そこには、見た目だけではない実用的なメリットがたくさんあります。
走行効率とグリップ力の向上
ペダルを交換する一番のメリットは、足元の安定感が増すことです。社外製の高性能ペダルには、靴の裏に食いつくような鋭い「ピン」が付いているものがあり、雨の日や力強く踏み込んだ時でも足が滑りにくくなります。これにより、無駄な力を使わずに効率よく進めるようになります。
また、ベアリングの質が高い製品を選ぶと、ペダルの回転が驚くほどスムーズになります。指で弾くだけでクルクルと回り続けるようなペダルは、長距離を走った時の疲労軽減に大きく貢献してくれます。足の裏から伝わる振動が減り、まるで別の自転車に乗っているような感覚を味わえるはずです。
車体の軽量化による持ち運びの改善
ブロンプトンを輪行(電車などに載せて移動すること)で活用している方にとって、軽量化は切実なテーマです。純正の折りたたみペダルは約280g前後ありますが、軽量なチタンシャフトを採用したペダルや、シンプルなフラットペダルに交換することで、数百グラムの軽量化が可能です。
「たかが数百グラム」と思うかもしれませんが、階段を上り下りする際や、駅構内を歩く時にはその差が大きく響きます。特にチタンパーツを多用したカスタムペダルは、軽さと強度を両立しており、ブロンプトンの軽快さをさらに引き立ててくれます。持ち上げるたびに「軽くなったな」と実感できるのは嬉しいですよね。
自分好みのスタイルにドレスアップ
ペダルは自転車の顔とも言えるパーツです。純正の落ち着いた雰囲気も素敵ですが、カラフルなアルマイト加工が施されたペダルや、クラシックな金属光沢が美しいペダルに変えることで、愛車の印象をガラリと変えることができます。カラーバリエーションが豊富なモデルも多いため、フレームの色に合わせて選ぶ楽しみがあります。
例えば、ブラックエディションの車体にはマットな黒のペダルを合わせたり、レーシーな雰囲気を出したいなら小ぶりなペダルを選んだりと、オーナーの個性を表現しやすいポイントです。小さなパーツですが、視覚的な満足度は非常に高く、愛着がさらに深まること間違いありません。
ペダルカスタムの効果
1. 踏み込みが安定し、パワーロスが減る
2. 坂道での引き足や加速がスムーズになる
3. 輪行時の重量負担が軽くなる
ブロンプトンに最適なペダルの種類と選び方

いざペダルを選ぼうとすると、その種類の多さに驚くかもしれません。ブロンプトンならではの選び方の基準を知っておきましょう。
折りたたみ式ペダルのメリットとデメリット
純正と同じく「折りたためる」タイプは、やはり利便性が抜群です。社外品でも三ヶ島製作所(MKS)などが高品質な折りたたみペダルを製造しています。メリットは、工具なしで瞬時に幅を狭められるため、駐輪場や自宅の廊下など、狭い場所に置く際にもストレスがない点です。
一方、デメリットとしては構造が複雑になるため、どうしても重量が重くなりがちです。また、可動部があるため長年の使用でわずかな「ガタ」が生じる可能性もあります。しかし、最近の高品質モデルは耐久性も非常に高く、折りたたみ機能と走行性能を両立させたい方には最もおすすめの選択です。
脱着式(着脱式)ペダルの利便性
最近のブロンプトンカスタムで主流となっているのが、工具なしでペダル本体を引っこ抜ける「脱着式(着脱式)」です。代表的なのは三ヶ島製作所の「Ezy」シリーズです。台座だけをクランクに残し、ペダル本体はカチッと外して専用のポーチやフレームに取り付けたホルダーに収納します。
このタイプの最大のメリットは、折りたたみ式よりもさらに出っ張りがなくなり、究極にコンパクトになることです。また、可動部がない一体型のペダル本体を使用するため、剛性が高く、カッチリとした踏み心地が得られます。左右両方のペダルを外せるため、防犯対策として片方を持ち歩くという使い方も可能です。
ビンディングペダルという選択肢
本格的に走りたいユーザーに人気なのが、専用のシューズとペダルを固定する「ビンディングペダル」です。シマノのSPDタイプなどが一般的です。これを使うと「押す」力だけでなく「引く」力も推進力に変えられるため、小径車とは思えないほどの高速巡航やヒルクライムが可能になります。
ブロンプトンの場合、ビンディングペダルに交換すると折りたたみ時に出っ張りが気になりますが、こちらも「脱着式」のモデルが存在します。輪行時は外して袋に入れ、走る時はビンディングで効率よくという、ブロンプトンの機動力と走行性能を両立させる贅沢なスタイルが実現できます。
脱着式ペダルを選ぶ際は、ストッパーの付け忘れに注意しましょう。走行中に外れるのを防ぐ小さなリングがありますが、これを正しく装着することで安全性が確保されます。
ブロンプトンにおすすめの人気ペダルブランド3選

ここでは、世界中のブロンプトンオーナーから絶大な信頼を寄せられている定番のブランドをご紹介します。
三ヶ島製作所(MKS):圧倒的な回転性能と信頼性
日本の老舗ブランド、三ヶ島製作所(MKS)は、ブロンプトンユーザーにとって避けては通れない存在です。特に「Ezy(イージー)」や「Ezy Superior(イージースーペリア)」シリーズは、脱着式ペダルの代名詞となっています。その特徴は何といっても、鏡面仕上げのベアリングが生み出す驚異的な回転の軽さです。
「Solution Ezy Superior」は、片面がフラット、もう片面がビンディングになっているモデルで、スニーカーでも専用シューズでも乗れる万能さが人気です。また、デザインもクラシカルなものからモダンなものまで揃っており、ブロンプトンの気品あるルックスを損なうことなく、性能だけを底上げしてくれます。
Ti Parts Workshop:驚異の軽さと美しさ
香港を拠点とする「Ti Parts Workshop」は、ブロンプトンのチタンパーツに特化したプレミアムブランドです。ここのペダルは、シャフトにチタンを採用し、ボディも肉抜きされた超軽量設計が特徴です。手に持った瞬間に「軽い!」と叫びたくなるほどの重量差を体感できるでしょう。
デザインも非常に洗練されており、メカニカルで美しい造形は、愛車をラグジュアリーな雰囲気に仕上げてくれます。価格は高めですが、究極の軽量化と所有欲を同時に満たしてくれるため、こだわり派のオーナーに愛用者が多いブランドです。特にチタンモデルのブロンプトンをお持ちの方には最高の相性です。
RIDEA(リデア):機能性とカラーカスタムの両立
台湾のパーツメーカー「RIDEA」も、ブロンプトン専用カスタムパーツを豊富にラインナップしています。ここのペダルは、カラーバリエーションが非常に豊富なのが魅力です。レッド、ゴールド、ブルーなど、鮮やかな発色のアルマイトカラーで、車体にアクセントを加えることができます。
もちろん機能面も優秀で、脱着式のモデルも多く展開しています。特に独自のクイックリリース機構は操作性が良く、スムーズな取り外しが可能です。また、ペダルを外した後にフレームに固定しておくための「ペダルホルダー」などの周辺アクセサリーも充実しており、トータルコーディネートがしやすいのも特徴です。
ブロンプトンのペダル交換方法と必要な道具

「自分で交換できるかな?」と不安な方もいるかもしれませんが、手順を知れば意外と簡単です。基本のメンテナンスとして挑戦してみましょう。
交換作業に必要なツールを準備する
ペダル交換には、主に「ペダルレンチ」という専用の道具が必要です。一般的な15mmのスパナでも代用できる場合がありますが、ペダルレンチは持ち手が長く、固着したペダルも外しやすい設計になっています。また、最近のカスタムペダルはクランクの裏側から「六角レンチ(6mmや8mm)」で締め付けるタイプも増えています。
さらに、新しいペダルを取り付ける際には必ず「万能グリス」を用意してください。ネジ山にグリスを塗ることで、雨水の侵入によるサビを防ぎ、将来また交換したくなった時にスムーズに外せるようになります。軍手やウエス(布)も用意しておくと、手が汚れず作業がスムーズです。
ペダルのネジの向きに注意(左ペダルは逆ネジ)
ここが最も重要なポイントです。自転車のペダルは、走行中に緩まないように左右でネジの向きが異なります。右ペダル(チェーン側)は普通の正ネジ(時計回りで締まる)ですが、左ペダルは「逆ネジ(反時計回りで締まる)」になっています。
つまり、外す時はその逆になります。右ペダルは反時計回りに回せば緩みますが、左ペダルは時計回りに回さないと緩みません。これを間違えて無理に力を入れると、クランクのネジ山を潰してしまう恐れがあります。「後ろ輪の方へ回すと緩む」と覚えておくと間違いが少なくなります。不安な場合は、作業前に何度も確認しましょう。
固着を防ぐ取り付けのコツと定期点検
古いペダルを外したら、クランク側のネジ穴をウエスできれいに掃除します。砂や古いグリスが残っていると、新しいペダルがうまく入りません。きれいになったら、新しいペダルのネジ山に薄くグリスを塗り、まずは指でくるくると回して入れていきます。最初から工具を使うと、斜めに入っていることに気づかずネジ山を痛めることがあるからです。
最後はペダルレンチでしっかりと締め付ければ完了です。ただし、力任せに締めすぎる必要はありません。交換してしばらく走ると、振動で馴染んでくることがあるため、100kmほど走ったら一度増し締めをすることをおすすめします。異音がしたり、ガタつきを感じたりしたら、すぐに確認する習慣をつけましょう。
| 作業項目 | 使用する道具 | 注意点 |
|---|---|---|
| 旧ペダルの取り外し | ペダルレンチ (15mm) | 左側は時計回りで緩む(逆ネジ) |
| 清掃とグリスアップ | ウエス、万能グリス | ネジ山をきれいにしてから塗布 |
| 新ペダルの取り付け | 指、その後にレンチ | 最初は必ず手で回して入れる |
ブロンプトンペダル選びでよくある悩みと解決策

ペダル選びには、ブロンプトン特有の悩みもつきものです。よくある疑問を解消しておきましょう。
折りたたみ時にフレームを傷つけないか?
社外品のペダル、特に脱着式でない金属製のフラットペダルに交換した場合、折りたたんだ際にペダルの角がフロントフォークやフレームに接触して傷をつけてしまうことがあります。純正ペダルはこれを防ぐためのゴムが付いていますが、カスタムパーツでは注意が必要です。
対策としては、「ペダルを外す」か「接触箇所に保護テープを貼る」のが有効です。また、折りたたむ時のクランクの位置を垂直にするなど、決まった手順を守ることで接触を回避できます。自分の選んだペダルが、折りたたみ状態のどこに位置するかを事前にシミュレーションしておくのが賢明です。
外したペダルの収納場所はどうする?
脱着式のペダルを選んだ場合、外したペダルの置き場所に困ることがあります。そのままバッグに入れると、オイルや泥で中が汚れてしまうことも。これに対しては、サドルの後ろやフロントキャリアブロック付近に取り付けられる「ペダルホルダー」という便利なアクセサリーが販売されています。
ホルダーがあれば、車体にカチッと固定しておけるので、紛失の心配もなく見た目もスマートです。また、小さな巾着袋を用意して、サドルバッグに常備しておくのも一つの手です。輪行が多い方は、ペダルを外す作業がルーチンになるため、自分にとって最もスムーズな収納方法を見つけることがストレスフリーな旅の秘訣です。
靴のソールへのダメージは気になる?
グリップ力の高いペダルは、それだけ靴の裏に負担をかけます。特にピンが鋭いタイプは、お気に入りのスニーカーの底を削ってしまうことがあります。通勤や街乗りで繊細な革靴や、ソールの薄い靴を履く場合は、ピンが樹脂製のものや、踏み面が比較的フラットなモデルを選ぶのが無難です。
逆に、週末のサイクリングでスポーツシューズを履くのであれば、しっかり食いつくタイプの方が安全で疲れにくいでしょう。自分の主な利用シーンを想像して、バランスの良いモデルを選ぶのが失敗しないコツです。最近では、靴に優しいけれど滑りにくい特殊な形状のペダルも登場しているので、探してみる価値はあります。
純正の折りたたみペダルは、折りたたんだ際に完全にロックされないことがあります。持ち運び中にペダルがパタパタ動くのが気になる場合は、小さなベルクロテープなどで固定すると安定します。
ブロンプトンペダルをアップデートして走りを変えよう
ブロンプトンのペダルは、単なる足置き場ではなく、折りたたみ性能と走行性能のバランスを司る重要なパーツです。純正のままでも十分素晴らしい設計ですが、自分のライフスタイルに合わせてカスタマイズすることで、ブロンプトンの可能性はさらに広がります。
「もっと軽くしたい」「雨の日も安心して走りたい」「見た目をかっこよくしたい」といった希望は、ペダルを交換するだけで驚くほど簡単に叶えることができます。三ヶ島製作所のような信頼のブランドから、軽量なチタンモデルまで、選択肢は非常に豊富です。まずは自分が何を一番重視したいかを整理してみましょう。
ペダルを変えれば、次のお出かけがもっと楽しみになるはずです。小さなパーツの交換がもたらす大きな変化を、ぜひあなたの愛車で体感してみてください。この記事を参考に、あなたにぴったりのブロンプトンペダルが見つかることを願っています。


