マウンテンバイク(MTB)やクロスバイクに乗っている方の中には、その無骨でワイルドな見た目に惹かれて「ブロックタイヤ」を選びたいと考えている方も多いのではないでしょうか。ゴツゴツとしたタイヤは、いかにも「バイク」らしい迫力を自転車に与えてくれますし、オフロードを駆け抜けるイメージは男心をくすぐります。
しかし、実際にインターネットで「ブロック タイヤ デメリット バイク」と検索してみると、ネガティブな情報も少なくありません。「街乗りには向かない」「疲れるだけ」といった声を聞くと、交換を躊躇してしまうのも無理はないでしょう。
この記事では、自転車におけるブロックタイヤのデメリットを、舗装路での走行性能、寿命、安全性といった観点から徹底的に解説します。もちろん、デメリットだけでなく、それを上回るメリットや、街乗りに適した選び方も紹介します。
タイヤ選びは、自転車の乗り心地を決定づける最も重要な要素の一つです。正しい知識を身につけて、あなたのライフスタイルに最適なタイヤを見つけましょう。
ブロックタイヤのデメリットとは?バイク(自転車)での走行への影響

ブロックタイヤを装着した自転車で舗装された道路を走る際、多くのライダーが最初に感じるのが「走行性能の違い」です。見た目のカッコよさと引き換えに、快適性やスピード維持の面でいくつかのデメリットが生じます。ここでは、具体的にどのような影響があるのかを詳しく解説していきます。
舗装路での転がり抵抗とスピードの低下
ブロックタイヤ最大の特徴である表面の凹凸(ブロックパターン)は、土や泥に食い込むために設計されています。しかし、硬いアスファルトの上では、この凹凸が大きな「転がり抵抗」となって立ちはだかります。タイヤが回転して地面に接地するたびに、ゴム製のブロック一つひとつがグニュッと変形し、元に戻ろうとするエネルギーのロスが発生します。これが抵抗となり、ペダルを漕ぐ力を奪ってしまうのです。
スリックタイヤ(溝のないタイヤ)などの舗装路用タイヤと比べると、その差は歴然です。漕ぎ出しの軽快さが失われるだけでなく、一度スピードに乗ってからの巡航速度を維持するのにも多くの体力を必要とします。「まるで後ろから誰かに引っ張られているようだ」と表現されることもあり、長距離のサイクリングや毎日の通勤・通学では、この抵抗感がじわじわとライダーの疲労を蓄積させていきます。特に、信号待ちからの発進が多い街中では、この重さがストレスになることも少なくありません。
さらに、スピードを出そうと必死にペダルを回しても、ブロックタイヤの空気抵抗や摩擦抵抗によって、トップスピードが伸び悩む傾向にあります。ロードバイクのような疾走感を求めてブロックタイヤを選ぶと、想像以上の「進まなさ」にガッカリしてしまうかもしれません。
コーナリング時の接地面積不足によるスリップリスク
「ブロックタイヤはグリップ力が高い」というイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、それはあくまで「土の上」での話です。平らで硬いアスファルトの上では、実はスリックタイヤよりも接地面積が極端に少なくなってしまいます。タイヤの表面全体が地面に触れるスリックタイヤに対し、ブロックタイヤはブロックの頂点部分しか路面に接しません。つまり、タイヤと地面との摩擦力が得られる面積が小さいのです。
この接地面積の少なさは、コーナリング(カーブ)の最中に顕著なデメリットとして現れます。自転車を傾けてカーブを曲がろうとしたとき、地面を支えているのはわずかなブロックの点だけです。もし、そのブロックが路面の小さな砂利や段差でグリップを失ったり、ブロック自体が横方向の力に耐え切れずに大きく変形(ヨレ)したりすると、唐突にタイヤが滑り出す「スリップダウン」のリスクが高まります。
特に、スピードが出ている状態で急なカーブに入ると、タイヤの限界を超えやすくなります。スリックタイヤであれば粘り強くグリップしてくれる場面でも、ブロックタイヤだとあっさりと滑ってしまうことがあるため、舗装路でのコーナリングには細心の注意が必要です。「ゴツゴツしているから滑らないだろう」という過信は、思わぬ転倒事故につながりかねないのです。
ロードノイズとハンドルへの不快な振動
ブロックタイヤで舗装路を走ると、「ゴーッ」「ブーン」という独特の音が鳴り響きます。これは「ロードノイズ」と呼ばれ、タイヤのブロックが路面を叩く音や、ブロック間の空気が圧縮・開放される際に発生する音です。低速走行時はそれほど気にならないかもしれませんが、スピードが上がるにつれて音は大きくなり、静かな住宅街やサイクリングロードでは周囲の視線が気になるほどの騒音になることもあります。
また、音だけでなく「振動」も無視できないデメリットです。ブロックの凹凸が連続して路面に当たることで、細かな振動が絶え間なく発生します。この振動はフロントフォークやフレームを伝わってハンドルを握る手に届き、長時間走行していると手が痺れたり、腕や肩への疲労感を増幅させたりする原因となります。
快適なサイクリングを楽しみたい場合、この微振動は大きなマイナス要素です。最新のマウンテンバイクには高性能なサスペンションがついていることが多いですが、それでもタイヤから発生する微細な振動を完全に消し去ることは難しいでしょう。静かで滑らかな走りを求めるなら、ブロックタイヤの騒音と振動は覚悟しておく必要があります。
車体重量の増加と加速性能への悪影響
タイヤは自転車の部品の中でも、走りの軽さに直結する「回転部分」の最外周に位置しています。ここが重くなると、慣性の法則により、走り出しや加速に大きなエネルギーが必要になります。一般的に、ブロックタイヤは耐久性を高めるためにゴムを厚くしていたり、ブロック部分の質量があったりするため、同サイズのスリックタイヤと比較して重量が重くなる傾向があります。
タイヤ単体で見れば数百グラムの差かもしれませんが、前後合わせればペットボトル1本分以上の重量増になることも珍しくありません。しかも、ただの荷物ではなく「回転する重り」であるため、体感的な重さは数値以上です。信号待ちからのスタートダッシュや、上り坂でのペダリングにおいて、この重量差は脚への負担として明確に現れます。
特に、安価なブロックタイヤには「ワイヤービード」と呼ばれる金属製のワイヤーが入っていることが多く、これがさらに重量を増加させます。軽量化のために高価なパーツを使っている自転車であっても、タイヤを重いブロックタイヤに変えてしまえば、その軽量化の恩恵を相殺してしまうほどの影響力があります。軽快な走りを損なう重量増は、街乗りにおける大きなデメリットと言えるでしょう。
意外と短い寿命?ブロックタイヤのアスファルト走行による摩耗

タイヤの寿命は走行距離や保管状況によって変わりますが、ブロックタイヤを街乗り(舗装路)メインで使用する場合、一般的なタイヤよりも交換サイクルが早くなる可能性があります。オフロード用に設計されたタイヤをアスファルトで使うことによる弊害について解説します。
柔らかいコンパウンドが引き起こす早期摩耗
本格的なオフロード走行を想定したブロックタイヤには、土や岩肌に吸い付くようなグリップ力を発揮するために、比較的柔らかいゴム(コンパウンド)が使用されていることが多くあります。この柔らかいゴムは、凹凸のある未舗装路では素晴らしい性能を発揮しますが、ヤスリのようにザラザラとした硬いアスファルトの上では、驚くほどの速さで削れてしまいます。
消しゴムを想像してみてください。柔らかい消しゴムほど紙の上でよく削れるのと同じ理屈です。特に、夏場の高温になったアスファルト路面ではゴムがさらに柔らかくなり、摩耗が加速します。高価なハイグリップタイプのブロックタイヤほど、この傾向が強いと言われています。「高いタイヤだから長持ちするだろう」と思って購入したら、数ヶ月で溝がなくなってしまった、という失敗談は自転車乗りにはよくある話です。
街乗り用のタイヤは、耐久性を重視して硬めのゴムを採用しているのが一般的です。用途が異なるタイヤを使用することは、経済的な観点から見てもコストパフォーマンスが悪くなる要因となります。毎日のように通勤や通学で長距離を走る方にとって、摩耗の早さは無視できないデメリットとなるでしょう。
センターブロックだけが減る「段減り」現象
自転車で直線を走るとき、タイヤの中央部分(センター)だけが路面に接地し続けます。ブロックタイヤの場合、このセンター部分にあるブロックだけが集中的に削れていき、サイド部分のブロックはほとんど新品のまま残るという、偏った摩耗の仕方をします。これを「段減り」と呼びます。
段減りが進行すると、タイヤの断面形状が本来の丸い形から、中央が平らになった台形のような形へと変化してしまいます。こうなると、カーブを曲がろうと車体を傾けたときに、平らな面から角の部分に接地が移行する際、カックンと急激に倒れ込むような違和感が生じます。ハンドリングが不自然になり、非常に乗りにくい自転車になってしまうのです。
また、センターのブロックがなくなると、そこだけスリックタイヤのような状態になりますが、ゴムの厚みが薄くなっているためパンクのリスクも高まります。サイドのブロックがまだ残っているため「まだ使える」と勘違いしがちですが、センターが摩耗して平らになってしまったブロックタイヤは、本来の性能を失っており、安全面でも交換が必要な状態と言えます。
交換サイクルの早さと維持費への影響
前述した通り、ブロックタイヤを舗装路で使用すると摩耗が激しいため、タイヤの交換頻度が高くなります。一般的なクロスバイク用のタイヤが3,000km〜5,000km程度持つと言われている中で、柔らかいコンパウンドのブロックタイヤを街乗りで酷使すると、1,000km〜2,000km程度で寿命を迎えてしまうこともあります。
タイヤ交換には、新しいタイヤの購入費用のほかに、ショップに依頼する場合は工賃もかかります。自分で行う場合でも手間と時間がかかります。頻繁なタイヤ交換は、自転車を維持するためのランニングコストを押し上げる要因となります。特に、マウンテンバイク用の太いタイヤや、チューブレスレディ対応などの高機能タイヤは単価も高いため、家計への負担も馬鹿になりません。
「見た目が好きだから」という理由だけでブロックタイヤを選んだ結果、年に何度もタイヤ交換をする羽目になり、維持費に悩まされることになるかもしれません。コストパフォーマンスを重視するなら、自分の走行環境に合った耐久性の高いタイヤを選ぶことが重要です。
ブロックの欠けやヒビ割れのリスク
アスファルトの上で急ブレーキをかけたり、強い力がかかるコーナリングを行ったりすると、ブロックの根元に大きな負荷がかかります。土の上なら地面が崩れて力を逃がしてくれますが、硬い舗装路ではタイヤのブロックそのものが全ての力を受け止めることになるからです。その結果、ブロックの根元からゴムが千切れる「ブロック飛び」や、亀裂が入る現象が起きることがあります。
ブロックが欠けてしまうと、その部分のグリップ力が失われるだけでなく、タイヤのバランスが悪くなり、振動の原因にもなります。また、一度亀裂が入るとそこから水分や砂が入り込み、タイヤ内部のケーシング(繊維層)を傷めてバースト(破裂)につながる危険性もあります。
さらに、経年劣化によるヒビ割れも、ブロックタイヤ特有の悩みがあります。ブロックの根元は応力が集中しやすいため、サイドウォールよりも先に細かいヒビ割れが発生しやすいのです。溝が残っていてもゴムが劣化していれば交換が必要になるため、日頃のチェックが欠かせません。
雨の日や路面状況による危険性の変化

晴れた日のオフロードでは頼もしいブロックタイヤですが、雨が降った途端、舗装路では牙を剥くことがあります。「オフロード用だから悪条件に強いはず」という思い込みは非常に危険です。ここでは、雨天時や特殊な路面状況におけるブロックタイヤのリスクについて詳しく解説します。
濡れたマンホールや白線でのスリップ事故
雨の日のサイクリングで最も恐ろしいのが、濡れたマンホール、排水溝の金属蓋(グレーチング)、そして横断歩道などの白線です。これらはただでさえ滑りやすい場所ですが、ブロックタイヤで走行する場合、その危険度はさらに跳ね上がります。
理由は先述した「接地面積の少なさ」にあります。金属や塗料の上では、タイヤのゴムが食い込むことができず、表面の摩擦力だけが頼りになります。しかし、ブロックタイヤは点接触に近いため、スリックタイヤに比べて圧倒的に摩擦を得られる面積が足りません。濡れたマンホールの上で少しでもブレーキをかけたり、車体を傾けたりすれば、氷の上を滑るかのように一瞬で転倒してしまいます。
また、工事現場の敷鉄板や、コンビニの入り口にあるタイルなども要注意ポイントです。街中にはこうした「滑りやすい罠」が無数に潜んでいます。ブロックタイヤを履いているときは、雨の日はもちろん、雨上がりで路面が湿っている状態でも、これらの障害物を極力避けるか、直立状態で通過する慎重さが求められます。
排水性は高いが舗装路では逆効果になる理由
一般的に、自動車のタイヤなどは溝があることで排水性を高め、ハイドロプレーニング現象(水膜によってタイヤが浮く現象)を防いでいます。この理屈から言えば、「溝の深いブロックタイヤは雨に強いのでは?」と思うかもしれません。しかし、自転車の速度域やタイヤの細さでは、自動車のようなハイドロプレーニング現象は起きにくいと言われています。
むしろ、舗装路においては「溝の多さ」よりも「ゴムが路面に密着すること」の方がグリップ確保には重要です。ブロックタイヤの大きな隙間は水を逃がす能力は高いものの、肝心のゴムが路面に接していなければ意味がありません。雨のアスファルトでは、水膜を切って路面を掴む必要がありますが、ブロックタイヤは接地圧がブロック単体に集中しすぎるため、かえって滑り出しの挙動が唐突になりがちです。
つまり、泥水の中を進むようなシーンでは高い排水性が泥詰まりを防いでくれますが、きれいな水膜が張ったアスファルトの上では、接地面積を減らすというデメリットの方が大きく出てしまうのです。雨の街乗りに関しては、排水溝(サイプ)が刻まれたロード用タイヤの方が、安全性は高いと言えるでしょう。
制動距離(ブレーキ)への影響
ブレーキをかけた際、自転車が完全に停止するまでの距離を「制動距離」と言います。急な飛び出しなどでパニックブレーキをかけたとき、ブロックタイヤはスリックタイヤに比べて制動距離が伸びてしまう可能性があります。
急ブレーキ時にはタイヤに強い前後方向の力がかかりますが、ブロックタイヤの場合、路面に接しているブロックがグニャリと変形してしまいます。この変形によってブレーキの力が路面に伝わるまでにタイムラグが生じたり、力が逃げてしまったりするのです。また、接地面積が少ないため、タイヤがロック(回転が止まって滑ること)しやすく、制御不能に陥るリスクも高まります。
特にフロントブレーキを強くかけたときに、前輪のブロックがよれてグリップを失うと、前転したり顔面から着地したりする大事故につながりかねません。「止まりたいときにピタッと止まれない」という不安は、交通量の多い街中を走る上で大きな精神的ストレスになります。ブロックタイヤを使用する場合は、普段よりも車間距離を空け、早めのブレーキングを心がける必要があります。
デメリットばかりではない!ブロックタイヤを選ぶメリットと魅力

ここまでデメリットを中心に解説してきましたが、もちろんブロックタイヤには、それを補って余りある魅力やメリットも存在します。多くのライダーがデメリットを理解した上でブロックタイヤを選び続けるのには、確かな理由があるのです。
砂利道やオフロードでの圧倒的な走破性と安心感
ブロックタイヤの真骨頂は、やはり未舗装路でのパフォーマンスです。河川敷の砂利道、林道、公園の土の道などに足を踏み入れた瞬間、アスファルトの上での不満は全て吹き飛びます。フカフカの土や滑りやすい砂利の上でも、ゴツゴツしたブロックが地面をしっかりと掴み(トラクション)、グイグイと前に進むことができます。
スリックタイヤではタイヤが空転して登れないような坂道や、ハンドルを取られて転びそうになる場面でも、ブロックタイヤなら安定して走行可能です。この「道を選ばずにどこへでも行ける」という自由度の高さこそが、マウンテンバイクの最大の喜びであり、ブロックタイヤを選ぶ最大のメリットと言えるでしょう。週末にちょっとした冒険に出かけたい人にとって、この走破性は必須の機能です。
マウンテンバイクらしい「ゴツくてカッコいい」見た目
機能性もさることながら、多くの人がブロックタイヤを選ぶ最大の理由は「見た目」ではないでしょうか。太くてゴツゴツしたタイヤは、自転車全体に力強さとワイルドな印象を与えます。細いタイヤのマウンテンバイクはどこか頼りなく見えてしまうこともありますが、ブロックタイヤを履かせるだけで、本格的なアウトドアギアとしての風格が漂います。
街中での駐輪中や、信号待ちでふと自分の自転車を見たときに、「やっぱりカッコいいな」と思える満足感は、趣味の乗り物として非常に重要です。多少走行音がうるさくても、ペダルが重くても、このスタイリングが好きだから乗り続ける。そんな愛着を持てるのも、ブロックタイヤならではの魅力です。カスタムパーツとしてのドレスアップ効果は絶大です。
街中の段差やパンクに対する一定の強さ
街乗りであっても、ブロックタイヤのメリットが活きるシーンはあります。それは「段差」や「異物」への対応力です。歩道の段差や工事中の路面の凹凸などを乗り越える際、ブロックタイヤの厚みとエアボリュームはクッションとなり、リム打ちパンク(段差でチューブが挟まって穴が開くパンク)のリスクを軽減してくれます。
また、ブロックの厚みがある分、小さなガラス片や画鋲などが刺さっても、チューブまで到達せずに助かるケースがあります(もちろん、ブロックの隙間に刺さればパンクしますが)。細いタイヤのように路面の細かいヒビ割れや小石に神経質にならなくて済むため、ラフに扱えるという点では街乗りでも気楽に乗れるメリットがあります。
泥や雪道など特殊な環境でのパフォーマンス
急な天候の変化や、季節ごとの路面状況にも対応できるのがブロックタイヤの強みです。例えば、雨上がりの公園で泥道を走る場合や、冬場に突然の雪に見舞われた場合など、スリックタイヤでは走行不能になるような状況でも、ブロックタイヤならある程度対応できます。
特に雪道においては、スタッドレスタイヤのようにブロックが雪を噛んでグリップするため、慎重に走れば転倒せずに移動できる可能性があります(凍結路面はスパイクタイヤでないと危険ですが)。四季を通じて様々な環境で自転車を使いたいと考えている人にとって、この「対応幅の広さ」は心強い保険となります。
街乗りメインのライダーにおすすめのタイヤ選びと対策

「ブロックタイヤの見た目は好きだけど、街乗りでのデメリットは極力減らしたい」。そんなわがままな願いを叶えるための選択肢や、運用上の工夫も存在します。完全にオンロード特化にするのではなく、バランスの良い落とし所を見つけるのが賢いタイヤ選びです。
良いとこ取りの「セミスリックタイヤ」という選択肢
街乗り派のマウンテンバイカーに最もおすすめなのが、「セミスリックタイヤ」です。これは、タイヤの中央部分(トレッドセンター)の溝を浅くしたり無くしたりして転がり抵抗を減らしつつ、タイヤの両端(サイド)にはしっかりとしたブロックを残したタイヤです。
直進時はセンターのスリック部分が接地するため、舗装路でも静かでスムーズな走りが可能です。一方で、コーナリング時や悪路に入ってタイヤが沈み込んだときには、サイドのブロックが接地してグリップを発揮します。まさにオンロードとオフロードのいいとこ取りをしたハイブリッドなタイヤと言えます。見た目もサイドにブロックがあるため、マウンテンバイクらしさを損なわずに済みます。
センターリッジパターンで転がり抵抗を軽減する
「もっとブロック感が欲しい」という方には、「センターリッジ」と呼ばれるパターンのタイヤがおすすめです。これは、タイヤ中央のブロックが途切れずに連続して繋がっている形状のものを指します。ブロック一つひとつが独立しているのではなく、センターラインが一本の帯のようになっているため、転がり抵抗が大幅に軽減されます。
見た目は十分にゴツゴツとしていますが、実際に走ってみると「ゴーッ」という音も控えめで、直進安定性も高いのが特徴です。多くのタイヤメーカーが、街乗りもこなせるトレイル用タイヤとしてこのパターンを採用しています。カタログや店舗でタイヤを選ぶ際は、真ん中のブロックが繋がっているかどうかに注目してみてください。
空気圧管理でデメリットを最小限に抑えるコツ
今履いているブロックタイヤをそのまま使い続ける場合でも、空気圧の調整である程度デメリットを緩和できます。舗装路を走る際は、タイヤの指定空気圧の範囲内で「高め」に設定することをおすすめします。
空気をパンパンに入れることでタイヤの変形を抑え、ブロックのヨレを減らすことができます。これにより、転がり抵抗が減り、スピードが出しやすくなります。ただし、空気圧を上げすぎると接地面積がさらに減って滑りやすくなったり、振動がダイレクトに伝わってきたりする副作用もあるため、乗り心地と走りの軽さのバランスが良いポイントを探る必要があります。逆に、河川敷などのオフロードに入るときだけ少し空気を抜けば、グリップ力を回復させることができます。
用途に合わせてタイヤを履き替える楽しみ
もし予算と保管場所に余裕があるなら、ホイールをもう1セット用意して、「街乗り用タイヤ」と「山遊び用ブロックタイヤ」を使い分けるという方法もあります。平日はスリックタイヤで快適に通勤し、週末はブロックタイヤに履き替えて山へ繰り出す。これなら、それぞれのタイヤの性能を100%引き出し、寿命も延ばすことができます。
ホイールごとの交換なら、慣れれば数分で完了します。タイヤ交換自体を楽しむことも、スポーツ自転車の醍醐味の一つです。一つのタイヤですべてを賄おうとせず、シーンに合わせて靴を履き替えるようにタイヤを選ぶ。これが、最も贅沢で賢いマウンテンバイクライフの楽しみ方かもしれません。
まとめ
今回は「ブロック タイヤ デメリット バイク」と検索される方が気になるポイントを中心に、自転車におけるブロックタイヤの特徴を解説しました。ブロックタイヤを街乗りで使用する場合、以下の4つのデメリットが主に挙げられます。
1. 走行性能の低下
転がり抵抗が大きくペダルが重い。スピードが出にくく、長距離では疲れやすい。
2. 舗装路でのスリップリスク
アスファルトでは接地面積が少なくなるため、特に雨の日やマンホールの上では滑りやすい。
3. 快適性の欠如
「ゴーッ」というロードノイズや、ハンドルへの微振動がストレスになることがある。
4. 経済的なデメリット
柔らかいコンパウンドはアスファルトで削れやすく、寿命が短い。頻繁な交換が必要になることも。
しかし、これらのデメリットがあるからといって、ブロックタイヤが「悪いタイヤ」というわけではありません。悪路での圧倒的な走破性や、マウンテンバイクらしい迫力あるルックスは、他のタイヤには代えがたい魅力です。重要なのは、自分の主な走行シーンと照らし合わせて選ぶことです。
もし街乗りが9割なら、セミスリックタイヤやセンターリッジパターンのタイヤを選ぶことで、快適性と見た目のバランスを取ることができます。逆に、週末のオフロード走行を何よりの楽しみにしているなら、街乗りでの多少の不便さは「スパイス」として受け入れ、本格的なブロックタイヤを選ぶのも正解です。
タイヤは消耗品であり、自転車の性格をガラリと変える魔法のパーツでもあります。ぜひこの記事を参考に、今の自分にベストなタイヤを見つけて、より充実したバイクライフを楽しんでください。

