「愛車の日産キューブにロードバイクを積んで、遠くの景色を見に行きたい」
そう思ったことはありませんか?四角くて可愛いフォルムが人気のキューブですが、実は自転車乗りにとっても非常に魅力的な車です。コンパクトな見た目とは裏腹に、工夫次第でロードバイクをしっかりと車載することができます。
しかし、初めて車載に挑戦するときは不安がつきものです。「本当に自分の自転車が入るのか」「車内が汚れたり傷ついたりしないか」「運転中に倒れてこないか」など、気になる点は多いでしょう。大切なロードバイクと愛車を守るためにも、正しい積み方を知っておくことは重要です。
この記事では、日産キューブにロードバイクを安全かつスムーズに積む方法を、初心者の方にもわかりやすく解説します。前輪を外すだけの簡単な方法から、2台積みのコツ、あると便利なグッズまで幅広く紹介します。週末のサイクリング計画に、ぜひ役立ててください。
キューブにロードバイクは車載できる?積載の基本を知ろう

結論から言うと、日産キューブにロードバイクを積むことは十分に可能です。コンパクトカーというカテゴリに属してはいますが、その四角いボディ形状がもたらす室内空間は意外なほど広く、自転車のような大きな荷物を運ぶのに適しています。
多くのサイクリストが実際にキューブをトランポ(トランスポーター)として活用しており、レース会場や遠方のサイクリングスポットへの移動手段として愛用しています。まずは、キューブがなぜロードバイク積載に向いているのか、その基本的なポテンシャルと条件について詳しく見ていきましょう。
天井の高さが最大の武器!広々とした荷室空間
キューブの最大の特徴といえば、名前の通り「箱(キューブ)」のような四角いシルエットです。デザインの可愛らしさが注目されがちですが、この形状は車内空間の有効活用という点で非常に合理的です。一般的なコンパクトカーや流線型のスポーツワゴンでは、天井が後ろに行くにつれて低くなっていることが多く、自転車を積む際にサドルやハンドルが天井に干渉してしまうことがあります。
しかし、キューブはリアゲート付近まで天井が高く維持されており、開口部も四角く広いため、高さのある荷物の出し入れが非常にスムーズです。ロードバイクの場合、サドルの高さがネックになることが多いのですが、キューブならサドルを下げたり抜いたりしなくても、そのまま立てて積めるケースがほとんどです。この「高さの余裕」は、積載時のストレスを大きく減らしてくれます。作業中に腰を過度に曲げなくて済むのも、地味ながら嬉しいポイントと言えるでしょう。
そのまま積める?それとも分解が必要?
「タイヤを外さずに、そのままポンと載せられたら楽なのに」と考える方も多いでしょう。しかし、さすがにキューブの全長では、ロードバイクを「完成車(タイヤがついた状態)」のまま積むのは難しいのが現実です。後部座席をすべて倒したとしても、ロードバイクの全長(約160cm~170cm前後)を真っ直ぐ収めるには奥行きが少し足りません。
基本的には「前輪を外す」というステップが必要です。スポーツ自転車であるロードバイクは、クイックリリースレバーやスルーアクスルといった機構のおかげで、工具を使わずに数秒で前輪を脱着できます。前輪さえ外してしまえば、全長が短くなり、キューブの荷室に無理なく収まるようになります。後輪まで外す必要はほとんどの場合ありませんが、もし助手席にも人を乗せたい場合や、よりコンパクトに収めたい場合は、前後輪を外すことでさらにスペースを節約可能です。まずは「前輪外し」が基本スタイルだと覚えておきましょう。
1台積みなら余裕!2台積みも工夫次第で可能
積載する台数によって、難易度は変わります。ロードバイク1台だけであれば、キューブは非常に優秀なトランスポーターです。後部座席を倒し、前輪を外した自転車を車体中央や片側に寄せて置けば、空いたスペースにヘルメットやシューズ、着替えの入ったバッグ、空気入れなどをたっぷりと収納できます。一人での遠征や気ままなサイクリング旅には最適です。
では、2台積んで二人で出かけることはできるのでしょうか。答えは「可能」です。ただし、1台のときよりも少し工夫が必要です。2台積む場合は、お互いのハンドルやペダルが干渉しないように、互い違い(一方は前向き、もう一方は後ろ向き)にするか、積み込む位置を慎重に調整する必要があります。また、2台積むと荷物を置くスペースが限られてくるため、隙間を有効活用するパッキング技術も求められます。ミノウラなどの車載用ベースを使えば、2台を並列にきれいに並べて固定することも可能です。
初心者でも簡単!ロードバイクの積み方手順と固定テクニック

実際にロードバイクをキューブに積み込む際の手順を解説します。慣れてしまえば5分もかからずに完了する作業ですが、最初は慎重に行うことが大切です。特に、車の内装や自転車のフレームに傷をつけないよう、丁寧な作業を心がけましょう。
ここでは、最も一般的で安定感のある「前輪を外して車内に立てて積む」方法を中心に紹介します。特別な高価な道具がなくても、ホームセンターや100円ショップで手に入るもので代用できる場合もありますが、専用品を使うとより安心です。
ステップ1:事前の準備と荷室のアレンジ
まずは車側の準備から始めます。キューブの後部座席(リアシート)を倒して、フラットな荷室空間を作りましょう。キューブのシートアレンジは簡単で、背もたれのレバーを操作するだけで前に倒れます。ただし、完全に水平なフラットになるモデルと、少し段差や傾斜ができるモデルがあります。段差が気になる場合は、厚手のマットやお風呂場のスノコなどを敷いて調整すると良いでしょう。
次に、汚れ防止のための養生(ようじょう)を行います。自転車はタイヤやチェーンに油汚れや泥がついているものです。そのまま積むと、シートやカーペットが黒く汚れてしまい、掃除が大変です。レジャーシートやブルーシート、使い古した毛布などを荷室全体に敷き詰めましょう。特にチェーンが当たる右側(運転席側または助手席側)の壁面も、必要に応じて布で覆っておくと安心です。準備ができたら、ロードバイクの前輪を外し、ブレーキキャリパーにパッドスペーサー(油圧ディスクブレーキの場合)を挟んでおきます。
ステップ2:自転車を積み込むときのポイント
いよいよ積み込みです。自転車を持ち上げるときは、チェーンの油が服につかないように注意してください。基本的には「リア(後輪)から」車内に入れます。バックドアを開け、後輪を先にしてゆっくりと押し込んでいきましょう。このとき、リアディレイラー(変速機)をぶつけないように特に注意が必要です。変速機はデリケートな部品なので、右側を上にするか、何にも接触しないように配慮します。
自転車を置く位置ですが、1台積みなら助手席の後ろあたりに、前輪(フォーク部分)がバックドア側に来るように置くのが一般的です。これなら、最後に固定作業をする際に手が届きやすく便利です。もし車載用ベース(スタンド)を使用する場合は、先にベースを車内に設置しておき、そこに合わせてフロントフォークを固定します。ベースがない場合は、サドルと後輪、そしてハンドルの3点でバランスを取るように壁に立てかけますが、不安定になりがちなので次の固定ステップが重要になります。
ステップ3:走行中に倒れないための固定方法
車載で最も重要なのが「固定」です。置いただけの状態では、車のブレーキやカーブの遠心力で自転車が倒れ、窓ガラスを割ったりフレームが破損したりする大惨事になりかねません。必ずベルトやロープで車体に固定しましょう。
キューブの荷室には、四隅にフックをかけるための金具(ラゲッジフック)がついている場合があります。これを利用して、荷締めベルト(タイダウンベルト)やゴムバンドを通し、自転車のフレームを引っ張るようにして固定します。ベルトを通す場所は、サドルの下(シートポスト)やトップチューブ、ステム周辺など、力がかかっても大丈夫な太いパイプ部分を選びます。このとき、フレームとベルトが擦れて傷にならないよう、タオルを挟むのがコツです。手で自転車を揺すってみて、ガタつかなければOKです。
ステップ4:外した前輪の置き場所と注意点
意外と困るのが、外した前輪の置き場所です。適当に自転車の上に載せておくと、走行中の振動でフレームに当たり、傷だらけになってしまいます。前輪は「ホイールバッグ」に入れるのがベストですが、持っていない場合は毛布でくるんだり、ダンボールで挟んだりして保護しましょう。
置き場所としては、自転車と壁の隙間や、前席の足元などが考えられます。ここでも動かないように固定するか、隙間にしっかり挟み込むことが大切です。また、ディスクブレーキのホイールの場合、ローター(円盤状の板)は非常に曲がりやすいので、絶対にローター側を下にして置いたり、重いものを上に載せたりしてはいけません。ローターを常に意識して扱うことが、トラブル防止の鍵となります。
必須チェックリスト
□ 前輪を外したか?
□ チェーン側の汚れ対策はしたか?
□ ブレーキパッドスペーサーは挟んだか?
□ 車体と自転車は確実に固定されたか?
車載に便利なおすすめグッズ!これがあれば快適

ロードバイクの車載は、工夫次第で家にあるものでも可能ですが、専用のグッズや便利なアイテムを取り入れることで、快適性と安全性が劇的に向上します。特に頻繁にサイクリングに出かける予定があるなら、初期投資としていくつか揃えておくことを強くおすすめします。
ここでは、キューブへの積載で特に役立つアイテムをピックアップしました。「安定感」「汚れ防止」「収納」の3つの観点から紹介しますので、自分のスタイルに合ったものを選んでみてください。
車載用ベーススタンド(ミノウラ バーゴなど)
車載の定番アイテムといえば、ミノウラ(MINOURA)の「VERGO(バーゴ)」シリーズに代表される車載用ベースです。これは、外したフロントフォークをクイックリリースやスルーアクスルで固定するための台座です。これを使うメリットは、自転車が自立するため安定感が抜群に良くなることです。
壁に立てかける方法だと、どうしてもカーブでグラグラしたり、固定ベルトを何本も張る必要があったりと手間がかかります。しかし、ベーススタンドを使えば、フロントフォークをカチッとセットするだけで自転車が直立し、あとは軽くベルトで補強するだけで済みます。キューブの荷室幅なら、2台用のベースも設置可能です。少し値段は張りますが、安心感と作業効率を買うと思えば決して高くはありません。特に大切なロードバイクを守りたい方には必須級のアイテムです。
汚れを防ぐホイールカバーとチェーンカバー
車内をきれいに保つためのアイテムも欠かせません。まずおすすめなのが「チェーンカバー」です。ロードバイクのチェーンはオイルで黒くなっており、ふとした拍子にシートや内装、あるいは自分の服に触れると、頑固な汚れがつきます。チェーン全体を覆うカバーをつけておけば、積み込み時のストレスが大幅に減ります。100円ショップの自転車コーナーにある簡易的なものでも十分役立ちます。
また、外したホイールを入れる「ホイールバッグ」や、ホイールにかぶせる「ホイールカバー」もあると便利です。タイヤについた泥や砂が車内に落ちるのを防げます。さらに、後部座席を倒した床面に敷く「ラゲッジマット」も専用品や汎用品が販売されています。防水素材のものなら、雨の日のライド後に濡れた自転車を積んでも、車体を湿気やカビから守ることができます。
100均やホームセンターで揃う便利グッズ
高価な専用品でなくても、身近なお店で手に入るアイテムが大活躍します。まず、ホームセンターで売っている「養生用プラダン(プラスチックダンボール)」は、軽くて丈夫でカットもしやすいため、荷室の床や壁の保護に最適です。汚れたら水洗いでき、安価なので使い倒せます。
100円ショップで手に入る「ベルクロ(マジックテープ)式のバンド」は、外したホイールをフレームに固定したり、ブレーキレバーを握った状態で固定して簡易的なパーキングブレーキにするのに使えます。また、「滑り止めマット」をベーススタンドの下やタイヤの接地部分に敷くだけで、安定感が増します。S字フックや突っ張り棒なども、ヘルメットやウェアを吊るす収納として活用できるでしょう。アイデア次第で、キューブの車内が自分だけの秘密基地のようになります。
キューブならではのメリットとデメリット

ロードバイクの積載において、日産キューブは非常に優秀な車ですが、完璧というわけではありません。車種特有の「良いところ」と「気をつけるべきところ」を理解しておくことで、トラブルを未然に防ぎ、より快適に使いこなすことができます。
ここでは、他の車と比較した際のキューブの特徴的なポイントを、実際の使用シーンを想定しながら解説します。これからキューブを購入しようとしている方も、すでに乗っている方も、ぜひ参考にしてください。
メリット:横開きドアと天井の高さ
キューブのアイコンでもある「横開きのバックドア」は、自転車乗りにとって大きなメリットになることがあります。一般的なハッチバック(上に開くタイプ)は、開けるために車両後方に大きなスペースが必要ですが、横開きドアは段階的に開くことができ、少しの隙間から荷物を出し入れする際に便利です。また、ドア自体が重くないため、女性でも軽い力で開閉できます。
そして何より、前述した「天井の高さ」は圧倒的なアドバンテージです。低い車だと、自転車を積む際に斜めに傾けながら知恵の輪のように出し入れしなければなりませんが、キューブなら垂直に近い状態でスッと入れられます。この作業性の良さは、疲れて帰ってきた撤収作業のときに特にありがたみを感じるはずです。また、着替えをする際も頭上の圧迫感が少なく、簡易的な更衣室として使いやすいのも嬉しい点です。
デメリット:奥行きの短さとドア開閉スペース
一方で、デメリットも存在します。まず、コンパクトカーゆえの「奥行きの短さ」です。ステーションワゴンやミニバンに比べると荷室長が短いため、前輪を外さずに積むことはほぼ不可能です。また、身長が高い方の大きなフレームサイズのバイクだと、前輪を外しても助手席をかなり前にスライドさせないと入らない場合があります。これにより、助手席に人が座れなくなるケースもあるため、事前のサイズ確認が欠かせません。
また、横開きドアには注意点もあります。日本の道路事情では、路肩に停めて後ろから荷物を出す際、ドアが道路側(右側)に大きく開く構造だと、後続車や通行人に接触するリスクがあります(キューブのドアヒンジ位置によりますが、駐車環境に左右されます)。さらに、雨の日にハッチバックのようにドアが屋根代わりになってくれないため、雨天時の積み下ろしでは人間も自転車も濡れてしまうという点は、アウトドアユースでは少し痛いポイントです。
運転時に気をつけたいポイント
自転車を積んだ状態での運転には、普段とは違う注意が必要です。まず「後方視界」の確保です。立てて積んだ自転車がルームミラーの視界を遮ることがあります。サイドミラーをしっかり活用するか、積み方を工夫して視界を確保しましょう。
また、自転車は見た目以上に重心が高い荷物です。固定が甘いと、急ブレーキや急ハンドルの際に大きく動きます。特に「カーブでの横G」には注意が必要です。キューブ自体も背が高く、コーナリングでロール(車体が傾くこと)しやすい特性があるため、山道のワインディングロードなどでは、いつも以上に速度を落とし、丁寧なハンドル操作を心がけてください。優しく運転することは、愛車とロードバイクの両方を守ることに繋がります。
メモ:
運転中に「カタカタ」という音が聞こえたら、すぐに安全な場所に停まって確認しましょう。自転車同士がぶつかっていたり、金具が窓に当たっていたりする合図かもしれません。
車載で広がるサイクリングの楽しみ

ここまで積み方の技術的な話をしてきましたが、そもそもなぜ苦労してまで車に自転車を積むのでしょうか。それは、自走(自転車で走っていくこと)だけでは味わえない、圧倒的な自由と楽しみが待っているからです。
「シックスホイール(車の4輪+自転車の2輪)」と呼ばれるこのスタイルは、サイクリストの行動範囲を無限に広げてくれます。キューブがあれば、あなたの自転車ライフはもっと豊かになるはずです。
いつもの道を飛び出し、遠くの絶景へ
自宅周辺のサイクリングコースに飽きてしまったことはありませんか?車載ができれば、行動半径は一気に数百キロ単位で広がります。早朝に家を出て、高速道路を走り、高原の涼しい風や海沿いの絶景ルートへアクセスできます。
例えば、「しまなみ海道」や「淡路島(アワイチ)」、「琵琶湖(ビワイチ)」といった憧れのサイクリング聖地も、車で現地まで行ってしまえば、美味しいところだけを走ることができます。体力を使わずに現地まで移動し、元気な状態で最高の景色の中を走り出す。これは車載派だけの特権です。
疲れても安心!帰りは車でリラックス
ロングライドの最大の敵は「帰り道」です。向かい風や急な雨、そして単純な疲労。行きは楽しくても、帰りの体力が残っていないと地獄を見ることになります。しかし、車を拠点にしていれば、無理をする必要がありません。
「今日はここまでにしておこう」と思えば、そこで切り上げて車に戻ることができます。ライド後の温泉や美味しい食事も、汗を流して着替えてから車で移動すれば快適そのもの。疲れ切った身体で夜道を自転車で走るリスクも回避でき、安全に帰宅することができます。
もしものトラブルや雨でも回収が楽
パンク修理キットを持っていたとしても、深刻なメカトラブルや、予期せぬ体調不良、突然の豪雨に見舞われることがあります。そんなとき、近くに車があれば「避難所」として機能します。また、家族や友人が迎えに来てくれる場合でも、キューブへの積み方を知っていれば、スムーズに回収してもらうことができます。
このように、車載スキルを身につけることは、単に移動手段が増えるだけでなく、サイクリングにおける「安心感」という大きな保険を手に入れることでもあります。キューブという頼れる相棒と一緒に、ぜひ新しい景色を探しに出かけてみてください。
まとめ:キューブで快適な自転車ライフを
日産キューブへのロードバイク車載について、積み方の基本から便利グッズ、メリット・デメリットまで解説してきました。最後に要点を振り返りましょう。
キューブは、その天井の高さとスクエアな形状のおかげで、ロードバイクを積むのに非常に適した車です。基本的には前輪を外すだけで、特別な改造をしなくても車内に立てて積むことができます。1台積みなら広々と使え、工夫すれば2台積みも可能です。
安全に運ぶためのポイントは、しっかりとした固定と養生です。ミノウラのバーゴのような専用ベースを使えば安定感が増しますが、ベルトやゴムバンドでの固定もお忘れなく。また、車内を汚さないためのブルーシートやホイールカバーなどの準備も大切です。
最初は積み込みに時間がかかるかもしれませんが、慣れれば数分で完了します。車載ができるようになれば、あなたのサイクリングの世界は驚くほど広がります。週末はキューブにロードバイクを詰め込んで、まだ見ぬ絶景や美味しい空気を探しに行ってみませんか?安全運転で、最高の自転車旅を楽しんでください!



